ユネスコスクール支援内容
1.ユネスコスクール(ASPnet)およびASPUnivNetへの加盟の経緯
玉川大学教育学部は、2008年10月24日に教員養成大学としてユネスコスクール(ASPnet)に加盟しました。同年ASPUnivNetにも加盟しています。創始者小原國芳が提唱した全人教育の伝統を活かし、近隣地域の小中高校や教育委員会、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)、日本ユネスコ協会連盟、ESD活動支援センター、ユネスコ本部と連携し、SDGs目標達成に向けた変容的教育(ESDおよびGCED)に基づく教師教育プログラムを推進しています。またESD多摩地域ネットワークの構築を目指しています。2021年~2022年度、ASPUnivNet運営委員を務めました。
2.「第5回ユネスコスクール関東ブロック大会」の開催
大学間連携と協同の一端として玉川大学は首都圏に位置する他のASPUnivNet加盟大学(成蹊大学、創価大学、東海大学)、ACCU及びかながわユネスコスクールネットワーク(KAN)と連携し、ユネスコスクール関東ブロック大会の主催、共催を行ってきました。2024年10月5日(土)に玉川大学にて「ユネスコスクールと全人教育 ― 若者エンパワメントに向けた教師の役割」をテーマに 「第5回ユネスコスクール関東ブロック大会」を開催しました。同志社大学の見原礼子氏による基調講演、パネルシンポジウム「若者エンパワメントのために教師に求められる役割は何か?」に続き、共催大学、KAN、大妻中野中学校・高等学校、東京都立山崎高等学校および次世代ユネスコ国内委員会による5つの分科会が実施され、ユネスコスクールにおける若者エンパワメントの諸課題と将来展望について多角的な議論とワークショップが行われました。この「第5回ユネスコスクール関東ブロック大会」の成果の一端は、2024年11月30日に開催された「第16回ユネスコスクール全国大会」の第1分科会(ASPUnivNet企画分科会)にて発表しました。

また玉川大学は福山市立大学、信州大学と連携してASPUnivNet共同研究「ユネスコスクールの教職員の動機づけを高める要因に関する実証研究」を主導して進め、共著論文にまとめました。
3.ユネスコスクール加盟申請校への教員研修会
玉川大学教育学部は、2024年度は東京都立山崎高等学校、大妻中野中学校・高等学校、八千代市立高津小学校、板橋区立蓮根第二小学校、光英VERITAS中学校高等学校、練馬区立中村中学校、江東区立八名川小学校、創価大学にてユネスコスクールに関する講演およびESD/SDGs教員研修会の支援活動を行いました。東京都立山崎高等学校では「山崎コンソーシアム」の一員として学校運営と教育計画への助言と支援を行っています。2024年12月13日に創価大学で開催された「ユネスコスクール チャレンジ校等応援企画」では「ユネスコスクールの現状と課題」というテーマでの基調講演を行い、ユネスコスクール加盟校・加盟申請校との交流ワークショップを実施しました。またACCUの依頼によりユネスコスクール・レビューアドバイザーとして、ユネスコスクール28校の活動状況について、書面レビューと評価を行いました。
ESD活動紹介
1.「ESD実践活動プログラム」と「高等教育におけるESD指導に向けた教材開発の試み」
玉川大学教育学部は卒業生の大半が学校教員になることから、学校現場でESD/SDGsを効果的に教えることのできる教師力の育成を目標に掲げ、学部等改革推進制度として「ESD実践学習プログラム」を実施しています。外部機関の訪問をはじめ、近隣の小学校でのボランティア活動、自然文化体験活動などを行いました。学生は小学校現場で使うことのできるESDワークシート教材を作成し、持続可能な社会の担い手を育成する教師のESD指導スキルの向上に努めました。また学内共同研究として、「高等教育におけるESD指導に向けた教材開発の試み」を実施し、大学の教師教育プログラムにて活用できるESD教材の開発を行いました。これらの成果を含め、カリキュラムポリシーにESD/SDGsの推進が明記されたことを受け、教育学部ホームページに「ユネスコスクール加盟大学として」という特設サイトを開設し、ユネスコスクール加盟大学としてのビジョン共有と広報を図っています。
2.「北東アジアにおける平和教育のための共同カリキュラム開発」プロジェクトでの協働
日本国際理解教育学会とも連携しながらAPCEIU(アジア太平洋国際理解教育センター)が主催する「北東アジアにおける平和教育のための共同カリキュラム開発」プロジェクトに参加し、ガイドラインの作成およびワークショップ(ソウル、福岡、南京)の開催などに協力してきました。成果物としてAPCEIU (2023) ”Common Curriculum Guide for Peace Education in Northeast Asia” の編集と執筆にも協力しました。玉川大学教育学部はアジア太平洋地域でのユネスコ関連機関と連携しながら、この地域におけるGCEDネットワークおよび変容的教育の拡充と教師教育・教材開発に寄与しています。
3. 玉川大学ユネスコクラブの活動
大学公認の文化会である玉川大学ユネスコクラブは「持続可能な社会づくりのために大学生ができるアクション」をテーマにした実践活動を展開しています。日本ユネスコ協会連盟の構成団体会員として、ユネスコスクールとユネスコ協会の連携強化をめざす諸活動を進めてきました。2024年度は、通常活動として「SDGsワークショップ」を実施し、持続可能な社会の担い手育成に向けた実践学習を行いました。大学間交流として2024年7月13日・14日に奈良教育大学、創価大学、青山学院大学、東京海洋大学のユネスコクラブとの共同で「第11回ユネスコクラブ全国サミット」を玉川大学で開催しました。また青山学院大学ユネスコクラブ Le Lienと合同で2025年2月9日~15日にパリのユネスコ本部にスタディツアーを行い、ユネスコ教育事業の最前線を学ぶと同時に、ユネスコ本部の支援を受けながら他国のユネスコスクールとの交流プログラムの企画準備を進めていく計画です。2025年2月23日には東京都ユネスコ連絡協議会主催の「ユネスコ青年・学生研修会」の実行委員として協力し、民間ユネスコ運動における若者エンパワメントの促進をめざした活動を推進してゆきます。
活動自己評価
https://www.unesco-school.mext.go.jp/supporters/aspunivnet/self-assessment/tamagawa/