所在地 | 〒714-1201 岡山県小田郡矢掛町矢掛1776−2 |
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電話番号 | 0866-82-0045 |
ホームページ | http://www.yakage.okayama-c.ed.jp/ |
加盟年 | 2008 |
2024年度活動報告
生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
本校は、「自立する力・探究する力・協働する力を有する生徒」の育成を目標に教育を展開している。また、生徒自身に「持続可能な社会の形成者」としての自覚をつけ、地域人材の育成に向け、ESDを高校教育全般の柱に据え、ESDの実践を通して生徒個人の夢を育て、持続可能な社会の形成者として資質をはぐくみ、自己実現と持続可能な社会の構築の両者の調和がとれた力の伸長に取り組んでいる。
具体的には「地域探究」「環境防災学習」「国際交流」の3つの柱に沿って、授業や行事、課外活動などを計画的に組み込んで展開している。またこのESD活動を効果的に実施していくために、平成30年度からは校内に「ESD課」という部署を設け、学校全体にESDの理念と活動が行き渡るよう組織的な工夫も行っている。また平成26年度に岡山市で開催された「ユネスコスクールESD高校生世界フォーラム」をきっかけに組織された「岡山ユネスコスクール高校ネットワーク」(平成27年度発足)を中心に、県内にある11のユネスコスクール高校との交流活動も積極的に進めている。令和6年度は、矢掛町と包括協定を結び、地域をフィールドとした学びの環境を作る土壌をととのえている。
今年度の報告では①ESD授業 ②ESD行事 ③ESD課外授業 ④国際交流の4点を主に報告する。
① ESD授業
1年次では、矢掛町の商店街を散策する「まち歩き」や、「ボランティア活動」による地域人材との交流を通じて、生徒一人一人が問題意識を持ち、他の生徒と協働しながら改善に向けた方法を探究し発表し深めていく「ESD基礎」(総合的な探究の時間)の授業を設けている。令和5年度からは、1年生全員がPBL学習に取り組むカリキュラムに改め、さらにカリキュラムの改善に向けた研究を重ねている。2年生になると3つのコースに分かれる。普通科探究コースではテーマを設定した「探究型学習」に取り組み、普通科総合コースでは、持続可能な地域社会を形成するために、地域の学校や施設に出て長期の実習を経験する学校設定教科「やかげ学」を実施し、地域ビジネス科でも学校設定科目「やかげ学実践」で、実習や地元企業と協働した商品開発を行う。3つのコースの特徴に応じた地域活動が行われることで、地域社会の持続可能性を身近で学んでいる。
② ESD行事
今年度も、多くの行事を企画した。西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)の記憶を伝承する「防災教室」や、県内の高等学校ユネスコスクールがテーマを決めて交流する「岡山県ユネスコスクール実践交流会」にも参加した。特に、今年度は第16回ユネスコスクール全国大会に本校の生徒を派遣し、トークセッションに参加する機会をいただいた。2月に実施する地域で活躍する大人と対話を行う「トークフォークダンス」は、本校生徒と地域の方々の双方にメリットのある取組であり次年度も続けたい。今年度の活動のまとめとして、1年生から2年生に向けては「ESD基礎」で取り組んだ「PBL型学習」の取組の発表を行い、2年生から1年生に向けては、各コースの取り組みの詳細を発表した。また、今年度の「先進地域視察」は、広島県尾道市を訪れ、尾道市立大学の学生や、広島県立尾道商業高等学校の生徒との交流を通じて、「地域に出る学び」について学習した。
③ ESD課外活動
矢掛町と協力しながら今年も多くのESD課外活動が行われた。「矢掛町日本語教室」では、外国人技能実習生を対象に、町内に住む退職教員と本校生徒が協働して日本語、日常生活のルール及び文化などをテーマとした国際交流が行われた。「矢掛子どもイングリッシュ・デイ」では町教委と協力し、町内の小学生たちに楽しく英語を教える役割を高校生が担った。矢掛駅前で開かれる「井原線DE得得市」では、サイエンス部が青空実験教室のブースを設け、親子の来場者を盛り上げた。町内の公民館主催の「夏の学習支援ボランティア」にも取り組み、子どもの貧困とフードロスを考える「コノヒトカン1000缶プロジェクト高校生社会課題解決コンテスト」に参加し「コノヒトカンGP高校部門」と「特選かき揚げ賞」を受賞した。
西日本豪雨災害の教訓から、防災・減災に関する活動も増えている。豪雨災害の被災地である倉敷市真備町と協力し、同地区の小学生、地域住民と高校生で心の中を語り合う「薗っ子だっぴ」が開催された。全国から3万人以上の観光客が集まる町内最大のイベント「矢掛宿場祭り」が行われ、大名行列への参加、商品開発の販売実習及び運営のボランティアを担った。今年は柿の不作のため「山ノ上干し柿祭り」は開催されなかったが、この地域特産の干柿を使って商品開発を行い、観光客のために生徒が自分たちで「雲の上カフェ」を企画して販売を行った。矢掛本陣マラソン全国大会では、選手としてだけではなく運営のボランティアとしても参加し、地域行事の運営方法などを学ぶことができた。
④ 国際交流
令和6年8月に本校教員がマレーシア国立バトゥムダ高校を訪問し、教職員や生徒と交流を行った。校長先生や教職員と意見交換をする中で、両校の教育理念や活動について共有し、国際交流を促進するための姉妹校協定の締結に向けた話し合いが実施された。令和6年度内の正式締結を目指し、オンライン会議などを通じて教員間で準備を進めている。具体的な交流内容は、まずはオンライン交流を開始し、次のステップとして教員や学生による訪問交流を予定している。最終的には、両校の学生が互いの学校で学べる交換留学プログラムの実施を目指す。この協定により、学生間の文化交流や探究学習の協働実施につなげたい。
来年度の活動計画
4月 ESD基礎 開始 / やかげ学 開始
5月 ユネスコスクールネットワーク役員会 / YAKOボラ
6月 YAKOプロジェクト 開始 / 商品開発 開始 / 米国国務省重要言語奨学金留学生とのSDGsインタビュー
7月 やかげ学・2年3年引き継ぎ会 / YAKOボラ / 学習支援ボランティア
8月 町ボラ
9月 各種学生コンテスト 発表 / PBL学習スタート
10月 YAKOボラ / 矢掛の宿場まつり大名行列参加 / 岡山大学外国人留学生SDGsインタビューと文化交流
11月 岡山ユネスコスクール実践交流会
12月 地域探究活動発表会 / 薗っ子だっぴ / YAKOボラ / 山ノ上干柿祭り雲の上カフェ / 先進地域視察
1月 トークフォークダンス
2月 本陣マラソン / YAKOボラ
3月 PBL型学習発表