- しずおかしりつわだしまこどもえん
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静岡市立和田島こども園
- Wadashima Integrated Center for Early Childhood Education and Care
- 種別幼稚園または幼保連携型認定こども園 地区中部地区
- 主な活動分野登録なし
所在地 | 〒424-0403 静岡市清水区和田島694-1 |
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電話番号 | 054-395-2320 |
ホームページ | https://www.city.shizuoka.lg.jp/000_003873_00013.html |
加盟年 | 2017 |
2024年度活動報告
環境, 持続可能な生産と消費
本園は「心豊かでたくましい両河内の子」を教育保育目標とし、ESDを「興津川の美しい水と『緑のダム』としての森林に親しむ保育」の推進と捉え、ESDの実践を通して地域への愛着の醸成と自然の中でたくましく生きる力の育成を目標とした。
今年度は、熱中症や5類なったコロナウイルス感染症、マイコプラズマ肺炎、RSウイルス、手足口病、ヘルパンギーナ、インフルエンザ等の予防と感染に配慮しながら、その中でもできる事を考え、子ども達と共に可能な活動を熟慮し、「地域の自然に触れる」「人に関わる」「地域の特産物による食や遊びの体験をする」「興津川の美しい水を守る大切さを知る」ことを柱に、①川遊びや水棲生物との触れ合いを通して、興津川に親しむ活動②地域の人との連携・小中学校の中で、山からの恵みを五感で体験する活動を行った。また、10月に発生した台風による被害が残る中、できる限りの教育保育の実施等を行った。和田島こども園のある両河内地域は自然豊かな山間にあるが、人口減少は否めない。高齢化も進み、少子化も深刻な問題になっている。
地域が人口減少を止めるための考えたことは、若い夫婦の移住を計画した。そのためには、地域に乳児保育が出来るこども園があることが必須となり、静岡市へ今ある和田島こども園(幼児のみのもと幼稚園)に乳児保育の設置を求めて運動が始まり、3年目にようやくそれが構い、R7.4~乳児クラス0・1.2歳児が設けられることになった。地域にとっても園にとってもいいことだ。移住を推進するのには、新東名のスマートインターがあることが要因となっている。また、住んでいない古民家再生にも繋がっている
川遊びや水棲生物との触れ合いを通して、興津川に親しむ活動
- 猛暑ため、自園から川へ行くまでに熱中症を心配する。それでも気を付けて河川敷に出掛ける。春秋は日の光を反射しキラキラ光る川面に目を向けながら草花や虫を見つけ、夏は川辺でオタマジャクシ等の水棲生物を見つけ楽しんだ。川の中に足を入れ遊ぶ中で流れがあること、水の冷たさ、気持ち良さを体感した。今年度は大雨や土砂災害等の関係で、清流興津川も茶色く濁っている日が多く見られた。
- 園外保育で橋から川を見て、子ども達から「いつもと違う」「これじゃ川で遊べないね。」「流れが速いね」の声が聞かれ、いつもと違う姿の興津川に気づき、地元の川の水がきれいであることを確認する機会となった。台風の傷跡は未だ残っており土砂で崩れた箇所の工事が痛々しい。R4年の台風の傷跡の改修工事もままならないうちに、また、台風にみまわれてしまい、山肌も土砂崩れの跡が未だに残っている
地域の人との連携の中で、山からの恵みを五感で体験する活動
- 春は、小学校との”架け橋プロジェクト“として、園児を竹林へ招待してタケノコを見つけ手にした。自宅に持ち帰るように用意をし「たけのこご飯で食べた」と報告があった。
- 新茶の時期には地域の方が茶畑を提供してくれ先生となり丁寧な指導をしてくれる茶摘み体験を行い、地域の特産物を知る機会となっている。今年度は、園児が6名ということで保護者や経験のある職員の助けを借り、いつもより沢山の茶葉を収穫できた。後日、製茶にしてもらい家庭に配布したり給食やうがい使用にしたりする。収穫の翌日、5歳児が茶葉を手もみで作った。お茶の香りに包まれながら小さな手の中の茶葉を感じ両手を緑色に染めて細かい茶葉を完成させていった。お茶を入れるとそれぞれにお茶の色が違うことに気がつき自分で手もみした新茶の味わいは格別のよう。「おいしい」「あまいね」「両河内のお茶は日本一だけど、このお茶の方が一番かも」と言って笑顔をみせていた。自分達が味わうだけでなく、家庭に持ち帰り自分達の作ったお茶を家族にご馳走する機会を設けると、「おいしいねって言われた!」と、得意そうな表情で報告にくる子ども達であった。「両河内のお茶」を作り、味わい、飲んでいただくことで、「両河内」に対する誇りが感じられ、この地域で育つことへの誇りにつながっていると感じている。ただ、お茶を入れる経験のない担任だったので熱湯を使用「お茶の入れ方教室」を職員間で行う。
ごみを減らそう
- ごみ処理にかなりのお金が使われている。まだ、静岡市では試験的にプラスチックの改修をしている。回収リサイクルしているものは出し、落ち葉等の自然物は穴を掘りそこに埋め、また土に戻すことを保育者が中心に行っている。たとえ今子どもたちには難しくても、大人の姿はしっかりと子どもたちの目に焼き付けていると信じている。
来年度の活動計画
両河内地区は、古くは興津川の豊富な流量を利用した木材の筏流しが行われ、特に本園の位置する和田島地区は、製材業や製紙業が盛んな地区であった。また、主要産物としてお茶・タケノコなどの栽培が盛んであったが、農家の働き手の高齢化や後継者不足が進み、現在では放置された竹林や茶畑なども目立ってきている。山の整備に携わる人が少ない為、山が荒れ、水源涵養林としての役割を果たすことが難しくなってきている現状がある。興津川の美しい水と豊かな自然の恩恵を体感することやここで遊んだこと生活したことが楽しいという体験の積み重ねを通してこの地域を大切にしていく、教育保育を実践していくことが、その恵みをもたらす「緑のダム」としての森林の機能を認識し、これから地域の自然を守る事とその維持に自ら行動できる人材育成につながると考える。近隣の小中一貫校とも交流を深め『郷土を愛する子』育成を掲げ教育保育を進めていく。
① 園外保育に係る活動
② 両河内小中学校との交流:架け橋プロジェクトで活動を実地
③ 地域の人との連携の中で、五感で体験する活動
④ リサイクルに関心をもち、物を大切に使う(紙・自然物等)
以上を柱に活動していきたい。