所在地 〒734-0005 広島県広島市南区翠1-1-1
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加盟年 1953

2024年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困

本校は,1953年のユネスコスクール加盟以来「平和」を活動の中心にしつつ時代と共に様々な領域を対象としながら活動を継続してきた。今年度も,昨年度の活動に改善を加えながら,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「SDGs活動を通じた全人教育の実現を図る」ことを目標とした。

①各学年での特別活動の取り組み

年度当初,教員研修を行い,本校のユネスコスクールの歴史やユネスコ教育についての方針を共有し,教育活動に還元している。各学年でSDGs活動を年間計画に位置づけ,学年の実態をふまえた活動を計画・実施した。以下はその一部である。

中1:「デザイン思考で考える富士通SDGsプログラム」に参加した。中2:キャリアチャレンジデイに参加し、企業の講師の方の話を聞いて、インタビューを行い、各企業の国際的課題・社会的課題とそれらの解決を目指した取り組みについてSDGsと関連させながら学んだ。中3:修学旅行を位置付け、学習プログラム(事前学習・事後学習も含む)を設定するとともに、生徒の自治組織を立ち上げて修学旅行の運営を展開した。学習後、SDGsの視点から事後レポートを作成し、中学校卒業後の自己と社会のかかわりについて考えを深めた。高1:ユネスコ教育推進部の教員から、現在の本校のユネスコ委員会やユネスコ班の取り組みについて説明を受け、同学年の生徒も主体的に関わっていることを共有した。高2:修学旅行において持続可能な開発目標(SDGs)に関する大学の講義を受ける機会を設けた。北海道大学の取り組んでいるプロジェクトを概観することを通して,これからの人類が目指すべき世界の姿とその実現のための課題について理解を深めることができた。また,「広島大学WWLコンソーシアム構築支援事業」によるオンラインセミナーを利用して,「生物多様性」に関する講演をオンデマンド形式で視聴した。高3:学校設定科目の授業において、科学の発展と社会倫理に関する課題について討議を行い、同級生の意見を聞きながら、自分なりの答えを考えさせた。科学の発展が人間社会にとって幸福をもたらすものになるために、何に注意して、何を考えればよいのかを自分自身に問う機会を設けることで、持続可能な社会をつくる一員としての自覚を持つことにつなげることができた。

②ユネスコ班・ユネスコ委員会に関わる活動

生徒の自主性を尊重しながら,ユネスコ班(クラブ)・ユネスコ委員会(生徒会)の活動支援に努めた。校内で実施した8月6日の慰霊追悼の集いに向けた折り鶴の作成や,平和記念公園内にある石碑を巡り平和に関する意識を高める活動を行うとともに,広島県ユネスコ協会主催の「平和の鐘を鳴らそう」(英語・日本語のスピーチ)・「高校生国際理解セミナー」に参加した。書き損じはがきを回収・換金し,発展途上国の教育や医療に役立ててもらう活動も行った。

2024年は,先述した毎年継続的に実施している活動に加えて,環境問題について関心のある生徒を中心に様々な清掃活動も行った。具体的に、昨年5月に開催された広島サミットをきっかけに始めた、元宇品や宮島の海岸清掃や福山市内での清掃活動(「芦田川を守る日」)に参加した。また、高校生ごみ拾い日本一を決めるスポGOMI甲子園2024広島大会に出場した(広島FMや中国新聞を通じて、スポGOMIを多くの人に紹介する活動も行った)。さらに、対外交流として、「第5回SB Student Ambassador中国大会」に参加し、SDGs推進に向けて他校との交流を行った。昨年に引き続き8月9日に長崎東高校の生徒と平和をテーマにオンライン交流を行うとともに、生徒自身が岩国ユネスコ協会の高校生(高水高校)に碑巡り案内を行った。さらに、コロンビア大学の学生と一緒に平和について考えるプログラムに参加したり、韓国ムンサンスオク高校の生徒に碑巡り案内を行った。以上のようなユネスコ班で行った活動は壁新聞の形にまとめ,文化祭において展示発表も行った。これらの一連の活動が,広島県ユネスコ連絡協議会に評価いただき,2024年度の第10回広島県ユネスコESD×SDGs大賞を受賞させていただいた。

③SDGsに関する授業,異文化交流の取り組み

SDGsの実現に向けて,「学習環境づくりとSDGsに関する記事を中心とした新聞の構成理解」,「SDGsをテーマとしたオリジナル新聞作り」,「SDGsのフレームワークを使った新聞記事分析」,「SDGsの付箋を活用した新聞記事のまわし読み」等,新聞を積極的に活用した授業実践に継続的に取り組んでいる。これらの授業実践から,第24回「中国新聞みんなの新聞コンクール」および日本新聞協会が主催する第15回「いっしょに読もう!新聞コンクール」において多数の受賞者が選出され、学校奨励賞も受賞させていただいた。異文化交流については,留学生(トルコ・アメリカ)受け入れを行った。

    

来年度の活動計画

2025(令和7)年度も,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「SDGs活動を通じた全人教育の実現を図る」ことを目標として活動を行う。「平和記念公園の碑巡り」,「慰霊追悼の集いのための折り鶴作成」,「広島ユネスコ協会主催行事への参加」,「文化祭でのフェアトレード商品の紹介」,「書きそんじはがき・キャンペーン」等ユネスコ班・ユネスコ委員会に関わる活動を継続して行う。また,各学年でもSDGs活動を年間計画に位置づけ,学年の実態をふまえた活動を計画・実施する。

本校では,これからも,生徒一人ひとりの,平和やSDGsへの関心を高め,自分ごととして地球規模の諸課題や地域課題を解決しようとする態度を育んでいきたいと考えている。

過去の活動報告