• とうきょうとしだいがくとどろきちゅうがっこうこうとうがっこう
  • 東京都市大学等々力中学校・高等学校

  • Tokyo City University Todoroki Junior and Senior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒158-0082 東京都世田谷区等々力8-10-1
電話番号 03-5962-0104
ホームページ https://www.tcu-todoroki.ed.jp/
加盟年 2017

2024年度活動報告

活動分野

平和, 貧困

本校は「ノブレスオブリージュ(高潔な若人の果たすべき責任と義務)」を教育方針に掲げ、ESD(持続可能な開発のための教育)に重なる様々な教育プログラムを行ってきました。☞

中学1年生の「命のはぐくみ」では本校屋上にある菜園で、年間を通して自分たちの手で野菜などを栽培しており、食料や農業などの大切さや命の育みについて学びました。
中学2年生が行う「自己発見と共生の旅」では、福島の地を訪れ、新たな自分を発見し、他者と共に生きることの大切さを学びました。今年度はコミュタン福島・日新館・野口英世記念館を訪れ、福島の現状や放射線・環境問題、震災後の復興に向けた科学的な取り組みや過去の偉人から受け継ぐべき精神や困難を乗り越える力、挑戦する意欲を感じました。
「WFPの日」には国連WFP協会の方とボランティアスタッフの方にお越しいただきました。前半は、「SDGsと国連WFPの食料支援―飢餓ゼロを目指し、私たちにできること」のテーマのもと、WFP協会の方に講演していただき、後半は、WFP協会のボランティアスタッフがファシリテーターとなり、世界の食料の格差を疑似体験できる「ハンガーバンケットゲーム」を行い、最後に「自分たちにできることはなにか」についてディスカッションを行い、発表しました。

中学3年生が行う「平和と命の旅」では知覧特攻平和会館、水俣、長崎といった歴史の現場を訪れ、過去の教訓から現在と未来の世界について考える貴重な機会となりました。戦争や環境汚染がもたらす絶望や命の重さを実感し、二度と同じ過ちを繰り返さないという強い決意を持ちました。
Lip大会やワールドピースワークショップでは修学旅行で学習した内容を振り返りつつ、世界平和に向けて自分たちに何ができるのかを提言し、未来の世界を担う一員としての自覚を感じました。
高校1年生は「グローバルキャンプ」にてネイティブスピーカーとの交流を通して英語を話す度胸と自信を身に付けることを目標としました。また、生徒たちが異なる文化や考え方を理解することで、グローバルマインドを育むこともできました。

高校2年生が行うクロスカルチャーでは、生徒による英語プレゼンテーションのあと、留学生の祖国紹介や来日した理由、今後の展望など、キャリア形成について話を聞き、質疑応答を行いました。国際人としての様々な視点に触れることで、将来の進路に向けて視野を広げることができました。
最後に英国修学旅行ではオックスフォードの現役大学生のサポートのもと、イギリスの歴史や文化に触れ、現地の人々と積極的に英語でコミュニケーションを図ることで、異文化理解を深めていきました。世界最高峰の舞台で体験し学んだことは、noblesse obligeの精神を理解し人格形成や進路選択の上で大きな支えになることでしょう。

その他、学年行事の外に、インターアクトボランティア委員会では、「古着deワクチン」「ペットボトルキャップ回収」を行っています。本校の文化祭である藍桐祭で着なくなった服などを回収し、開発途上国を中心に衣類等の輸出・販売を行い、その利益を用いてポリオワクチンの提供を行うという社会貢献活動を行いました。また部活動においても老人ホーム慰問などのボランティア活動にも積極的に参加しています。

最後に本年度、高校1年生のGLクラスで行っている、本校オリジナルの新学習プロジェクトwinged wordsを紹介します。

winged wordsは海外のパートナー校とICTを用いてSDGsなど世界を視野に入れた課題について主体的・対話的・協働的に学び合い、学習の成果として世界に訴えるメッセージを共同制作するプロジェクトベースの学習です。異なる文化背景を持つ同世代の生徒たちと英語で議論を行い、国境・時代を越えて自分たちが生きる指針となるようなキーフレーズWinged Wordsをつくることを目標にしています。

本年度はオーストラリアにあるマルンバ州立中等学校と協働学習を行っています。SDGs目標1「貧困をなくそう」とSDGs目標16「平和と公正をすべての人に」をテーマに現状・問題点・解決策を双方で考え、英語でプレゼンテーションを行います。これらを動画でまとめ相手校に送り、質問と回答をメールあるいはZoomで議論を行い、協働して世界に伝えたい想いをメッセージ(Winged Words)で表現し世界に発信することを目指しています。言葉の力が若者の心を開き、学びの世界が翼を広げます。偉人が唱えた金言のように若者を突き動かすメッセージを生徒自らが作る活動です。

貧困(Goal 1. No Poverty)A   

貧困(Goal 1. No Poverty)B   

公正(Goal 16. Peace, justice and strong institutions)A

公正(Goal 16. Peace, justice and strong institutions)B

 これらはいずれもユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野である「1. 地球市民および平和と非暴力の文化」「2. 持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」「3. 異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」に深くリンクする学びを実現することができていると考えています。

来年度の活動計画

来年度も引き続きESD教育につながる学校行事を通してノブレスオブリージュの精神のもと、グローバルリーダーの育成に取り組んでいく予定である。

1st STAGE(中学1年生・2年生)では【共生】をテーマに「オリエンテーション合宿」「命のはぐくみ(菜園づくり)」「自己発見と共生の旅(宿泊行事)」「WFPの日」を行う。
2nd STAGE (中学3年生・高校1年生)では【英知】をテーマに「平和と命の旅」「Lip大会」「ワールドピースワークショップ」「グローバルキャンプ」を行う。
3rd STAGE (高2・高3)では【高潔】をテーマに「キャリアフェア(職業・学部紹介)」「英国修学旅行」あるいは「シンガポール修学旅行」を行い、自尊心と公共心を持ち、主導的な立場で後輩を指導する自覚を持つとともに、国際社会の一員として将来自分が果たすべき責任が何かを考える。

その他の行事としては7月・8月は「歌舞伎鑑賞教室(中2)」「オペラ鑑賞教室(高2)」で日本・国際文化に触れ、「イギリスラグビー校サマーコース(中3・高1)」「オーストラリア語学研修(中3・高1)」で短期留学(希望者)に参加することができる。また国内でも「イングリッシュサマーコース」という英語漬けの数日間を通い合宿という形で参加する。9月には「藍桐祭(中・高文化祭)」を行い普段の研究の成果を披露し、10月には「落語教室(中1)」「ウィーンフィル音楽鑑賞教室(高1)」など本物の日本・国際文化に触れる予定である。また「英語レシテーションコンテスト(中1・2)」、「帰国生プレゼンテーション(中1)」「英語スピーチコンテスト(高1)」12月は夏と同様に「グローバルスタディプログラム(中3~高2)」にて6時間英語漬けプログラムを数日間行い英語発信力の育成に努める。また1月は合唱コンクール(中1~高1)で音楽を通して団結心を養い、Lip大会(中3)でプレゼンテーション力を高める。2月は「等々力ランフェスタ(マラソン大会)」で身体を鍛え、「キャリアフェア(中2・高2)」で自分の現状と将来像を描く。3月は卒業式を行い、先輩を見送るとともに自分の理想像を考える。

以上のように東京都市大学等々力中学校高等学校は、引き続きthink Globally, act localyの精神に通じる取り組みを行う予定である。貧困・戦争の拡大、資源の枯渇、気候変動、生物多様性の喪失など、現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組むことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動の変化をもたらし、持続可能な社会を実現するためにさまざまな学習・教育活動を学年・委員会・部活を通して、本校の理念であるnoblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)とグローバルリーダーの育成を行っていく。

過去の活動報告