2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, エコパーク

※高山市立荘川さくら学園は、高山市立荘川小学校と高山市立庄川中学校が統合し、令和7年度に開校しました

(旧)高山市立荘川小学校

本校では、ESDと高山市教育の方針である「郷土教育」を関連付けて捉え、「生態系の保全と持続可能な利活用の調和」をテーマとして教育活動を進めている。ESDの実践を通して、児童一人一人が地域への愛着と貢献感、また、地域の方々と協働して生きていこうとする共生力を育成することを目標とした。今年度は、コロナ禍ではあるが、オンラインを活用して他地域との交流、学んだことを発信する活動に重点を置いた。

具体的には、「地域の自然保全活動への参加」「伝統芸能の体験」「荘川の誇りを学んだことの発信」を柱に、①白山ユネスコエコパーク学習会への参加②森林学習と、庄川の釣り体験③民謡や獅子舞の体験④ユネスコエコパーク内での他校交流や姉妹都市との交流を実施してきた。

高山市荘川町は、平成28年3月に白山ユネスコエコパーク(移行地域)に登録された。本校と荘川中学校は(保)小中一貫教育に取り組んでおり、ESDについては系統的に進めようと取り組んでいる。

 

①白山ユネスコエコパーク学習会への参加

白山ユスコエコパーク(移行地域)の理念のもと、豊かな自然と生態系の保全、自然資源を活かした持続可能な荘川地域の発展をめざした教育活動に取り組んでいる。荘川支所の協力をいただきながら、岐阜大学応用生物科学部の教授や学生の皆さんと一緒に、地域に生息しているミズバショウの保全活動を5年前から進めている。

ミズバショウは、高山市の天然記念物に指定されており、貴重な自然資源である。

第1回目:岐阜大学教授より、ユネスコエコパークに関する講話を聞く。

種取網作成と取り付けを体験する。

第2回目:学校で育てたミズバショウの苗を植えかえる。

第3回目:山中峠に植え替え、定植実験をする。

②森林学習と、庄川の釣り体験

森林による水の循環の仕組みを学ぶ。稚魚放流や釣り体験を通して、清流庄川の恵みを実感し、保全への関心意欲を高めている。この活動は庄川漁業協同組合の協力で行っている。

③民謡や獅子舞の体験

3,4年生は荘川民謡の手踊りを地域の講師より学び、運動会で披露した。また、高学年のクラブ活動において、三味線での演奏も体験している。

3年生は、獅子舞について地域の講師や中学生から学んでいる。自分で獅子頭を作り、獅子舞を練習している。

④ユネスコエコパーク内での他校交流や姉妹都市との交流

 5,6年生は同ユネスコパーク内にある白川郷学園との交流を行っている。自然環境や伝統芸能、小中一貫教育などの類似点があり、有意義な交流となっている。また、高山市の姉妹都市デンバー市の観光協会に、荘川の特色や誇りに思っていることを英語で伝える活動を中学生と共に行った。英語でコミュニケーションをとる楽しさを体験し、学んだことに誇りをもって伝える活動になった。

 

(旧)高山市立庄川中学校

本校は、白山ユネスコエコパークにあるユネスコスクール登録校である。特に、今年度は「郷土教育」~ESDによるSDGsの推進~を進めた。本校のある荘川町は、四季折々の変化が強く感じられる環境にあり、各地域では住民による獅子舞や笠踊りなどの伝統芸能が脈々と継承されている。また、荘川町に伝わる昔からの食生活やお祭りなど、独特な文化が数多く残されている。そういった地域の素材を活かし、地域で生活する人々の思いや願いに積極的に耳を傾け、自己の生き方に活かせるよう次の2点に取り組めるよう計画してきた。

1つ目「伝統芸能の習得と披露」

2つ目「ふるさとドリーマーから学び、次世代に伝える」

しかし、今年度はコロナ禍にあり、計画してきた活動が思うように進められなかった。それでも、その都度状況を考えながらできることを行ない、挑戦し続けてきた。
①「伝統芸能の習得と披露」
全校対象:・練習回数や練習方法に制限はあったが伝統芸能の保存に携わっている地域の方から伝統的な獅子舞や笠踊りを学ぶことができた。

・町主催の祭りやイベントが軒並み中止になったが、学校主催の文化祭(演劇:「嫰芽」~荘川桜保存の物語~)は実施できた。演劇専門教授の指導のもと1家族1名までの参観、YouTubeでの参観可能として地域の方々に自信を持って披露することができた。

②「ふるさとドリーマーから学び、次世代に伝える」
荘川町には、伝統芸能だけではなく地域素材を大切にしながら夢を持って仕事をしている方がたくさんみえる。野菜農家の方、漁業組合の方、民謡保存会の方、飛騨牛畜産農家の方そんな方々を「ふるさとドリーマー」と命名している。「ふるさとドリーマー」の方と触れ合うことで地域への思いや願いを知ること、自分は地域のために何ができるのか?などを考えることを目的に実施している。

第1学年:「白山ユネスコエコパークについて学ぼう」~ふるさとドリーマーから~

学校周辺の水中できれいに咲いている「梅花藻」に興味をもった。生徒達は、近隣の梅花藻保存会の方から詳しい情報を学び、どういった場所に生息するのかなど調べ、近隣の中学生に伝えることができた。

第2学年:「荘川で働く人から学ぶ」~ふるさとドリーマーから~

今年は、職場での体験学習はできなかったが、職場の方に来校頂き、職種説明、職場の願い、職場の悩みや苦労などを学ぶことができた。少人数で計画したことで質問時間を設けたり一緒に動いたりできた。

第3学年:「福祉体験学習~福祉センターへの訪問活動~」
今、自分たちにできることはないかと考え、戦没慰霊碑の清掃活動や

福祉センターに入所されている方々にビデオメッセージを届けるなど積極的に活動することができた。また、義務教育学校設立に向けてどんな学校ができるとよいのか等地域の方と一緒になって考えられた。

来年度の活動計画

(旧)高山市立荘川小学校

「地域一斉清掃活動」5月

地域住民と一緒に自分の住んでいる地区のごみ拾いや草刈り、側溝の土あげなどを行う。活動後はごみを分別し、地域の方々と振り返りの会を行う。

「荘川桜保全活動」5月

樹木医や電源開発公社の職員より、荘川桜の根を守るための活動を学ぶ。

「白山ユネスコエコパーク実践学習会」

1回目:岐阜大学准教授による講話及び大学生との交流

2回目:山中峠ミズバショウ群落において種採取

3回目:児童によるミズバショウ苗の観察結果の発表

「海の子山の子交流事業~新島小学校との交流」7月

オンラインによる事前交流後、新島を訪問

「白川郷学園との交流」6月

白川郷学園を訪れ、合同授業や一緒に遊ぶ活動を行う。

「英語で交流」時期未定

ユネスコスクールに登録している海外の学校と、英語で伝え合う活動

(旧)高山市立庄川中学校

コロナの収束など先は見えない中ではあるが「郷土教育」~ESDによるSDGsの推進を通してさらなる郷土愛を育む~という願いは決まっているので、学び方の方法、外部への発信方法、貢献していく方法など、状況をよく考えてできることを精一杯おこなっていきたい。また、来年度からは、生徒1人1台タブレットも進んでいくので有効的に活用し、他県のユネスコスクールとの交流も進めていきたい。