2023年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, エコパーク
※高山市立荘川さくら学園は、高山市立荘川小学校と高山市立庄川中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)高山市立荘川小学校
高山市荘川町は、平成28年3月に白山ユネスコエコパークに登録された。本校と荘川中学校は、令和7年度から義務教育学校になることが決定しており、保育園と共に同じ校舎で生活することになる。保小中で系統的に郷土教育に取り組んでいる。本校では、ESDと郷土教育を関連付けて捉え、「生態系の保全と持続可能な利活用の調和」をテーマとして教育活動を進めている。ESDの実践を通して、児童が地域への愛着と貢献、また、地域の方人々と協働して生きていこうとする共生力を育成することを目標としている。また、追究の課題、学びの方法を自己決定することで、主体的に学ぶ姿を目指している。具体的には、「地域の自然遺産」「伝統芸能の継承」「地域の産業」「地域の歴史義民」を追究している。
①庄川での釣り体験と稚魚放流
庄川漁協の全面的な支援を受けて、場所の確保から道具と魚の準備をしていただき、子どもたちは楽しく釣り体験をすることができた。昼ご飯には、一人一匹ずつニジマスの塩焼きをいただいた。また、その翌週には、ヤマメの稚魚の放流体験させていただいた。体育館裏の河原で3000匹のヤマメを放流することができました。また、釣り体験に続いて、県水産研究所の先生にお越しいただき、飛騨地区の川魚と魚の棲む環境作りについて教えていただいた。
②伝統芸能の体験
地元の方を講師に招いて荘川民謡を学び、運動会で披露した。また、今年度コロナ禍明けで復活した地元の祭典にも参加し、地元の方に喜んでいただけた。3年生になると、獅子舞で使う自分の獅子頭を作るようにしている。4~6年生は、毎年入学式にアトラクションとして獅子舞を披露している。
③ドローン教室
子どもたちは、郷土学習をさらに充実させるため、地域の山林や河川などをドローンから空撮したいと考えている。しかし、実践的な使用をするためにはかなりの訓練が必要である。そこで、地元の愛好家の方を講師に招いて、講習会を行ってきた。高学年での使用を想定し、5~6年生が基本的な操作を学んだ。来春からの実践的な使用を目指している。
(旧)高山市立庄川中学校
本校は「桜花爛漫・飛翔若鷹・獅子奮迅」を学校の教育目標とし、特色ある教育として「確かな学力の向上」「郷土教育の推進」「適応力の向上」に取り組んでいる。
今年度は、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、幸福で持続可能なまちづくり・学校づくりを目標にして取り組んだ。
<1. 地球市民および平和と非暴力の文化>
■多様な考えをつなぐ授業づくり
社会科では「なぜイギリスはEUから脱退したのか」という課題について、調べて考えたことを交流した。生徒は、教科書や資料集だけでなく、図書館の本やインターネットなどたくさんの情報を使い、法律、産業、交通、食料問題など様々な視点で調査し、脱退した理由を考えて発表することができた。
■再び悲劇を起こさない平和学習
第2次世界大戦および原爆投下の学習を踏まえて、広島を訪問した。また、その中で学んだことを、下級生にプレゼンして平和の大切さを訴えることができた。
<2. 持続可能な開発および持続可能なライフスタイル>
■エコキャップ・コンタクトレンズ空ケース集め
生徒会が中心となり、昨年度からエコキャップ集めに加え、コンタクトレンズ空ケース集めも行った。
■伝統芸能の継承
地域の伝統芸能である獅子舞や笠踊りについて、地域の方を「ふるさとドリーマー」と称して講師として招き、伝統芸能について学んだ。また、その成果を地域の行事に参加して発表した。
■ふるさとを守る人の思いを演劇化
地域のことを講師として伝えてくださる「ふるさとドリーマー」を題材にした演劇を行い、地域の方に披露した。演劇づくりでは、専門家を講師に招いて演技指導をいただいた。
<3. 異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重>
■海外に住む方との交流
オンラインを活用して、海外で暮らす日本人と交流した。日本と外国の文化の違いについて、直接質問をして聞くことができた。
■地域外の学校との交流
市内の大規模校(ユネスコスクール)で1日を過ごす体験活動を実施した。少人数での授業とは違った意見交流を体験することができた。
来年度の活動計画
(旧)高山市立荘川小学校
「個人課題設定の追究学習」
3~6年生は、「だれよりも荘川町のことを語れる大人をめざして」を目標にして、個人追究課題を設定して探究する。その3年目となる。前年の学習を継続する児童、新たな分野に挑戦する児童も出てくる。また、前年の自分や仲間の学びと関連付けて学習する姿が見込まれる。学習の成果は、12月の発表会で保護者と地域住民、関わった講師の方々に向けて報告する予定である。小グループで感想や質問をやりとりする双方向の発表会を継続する。
(旧)高山市立庄川中学校
白山ユネスコエコパーク内にあるユネスコスクールであるという視点のもとに、総合的な学習の時間のカリキュラムを見直し、保育園から小学校、中学校と系統的に学習が進めるだけでなく、地域の方にも広く参加してもられるようにしたい。また、非認知スキルである適応力を育む取り組みについても、地域の方とのコミュニケーションの場を多くとりいれ、より実践的な能力へと高めていきたい。