2022年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク
※高山市立荘川さくら学園は、高山市立荘川小学校と高山市立庄川中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)高山市立荘川小学校
高山市荘川町は、平成28年3月に白山ユネスコエコパーク(移行地域)に登録された。本校と荘川中学校は(保)小中一貫教育に取り組んでおり、ESDについては系統的に進めている。
本校では、ESDと高山市教育の方針である「郷土教育」を関連付けて捉え、「生態系の保全と持続可能な利活用の調和」をテーマとして教育活動を進めている。ESDの実践を通して、児童が地域への愛着と貢献感、また、地域の方人々と協働して生きていこうとする共生力を育成することを目標とした。
また、追究の課題、学びの方法を自己決定することで、主体的に学ぶ姿を目指した。具体的には、「地域の自然遺産」「伝統芸能の継承」「地域の産業」「地域の歴史義民」を追究した。
①岐阜県みどりの少年団活動発表大会にて発信
豊かな自然と生態系の保全、自然資源を活かした持続可能な荘川地域の発展をめざした教育活動に取り組んでいる。特に、ミズバショウの保全活動は、荘川支所の協力をいただきながら、岐阜大学応用生物科学部の教授や学生と一緒に7年前から進めている。
そうした取組を発表大会に参加し、県内の他団体に発信した。定植実験を行った。
②森林学習と庄川の釣り体験
飛騨森林組合職員より、森林が清流や日本海のめぐみにつながっていること、FSCの森が町内にあることを学んだ。稚魚放流や釣り体験を通して、清流庄川の恵みを実感し、保全への関心意欲を高めている。この活動は庄川漁業協同組合の協力で行った。
③伝統芸能の体験
荘川民謡を学び、運動会で披露した。また、3年生は、獅子舞では自分の獅子頭を作っている。4~6年生は、入学式にアトラクションとして獅子舞を披露している。個人課題追究学習でも、獅子舞を選んで学んでいる子が多い。今年度は、新たに歌舞伎メイク体験を行い、芝居や舞踊への興味をもたせる機会となった。
④化石の学習
個人課題追究学習で「化石」を選択し、地域で発見された恐竜、古代の森について学んだ。地域の化石発掘体験に参加し、新たな化石を見つけた児童もいる。現在、研究機関で調査中である。自然歴史遺産を学ぶ良い機会となっている。
(旧)高山市立庄川中学校
本校は「桜花爛漫・飛翔若鷹 ~ひとりだちができる生徒~」を学校の教育目標とし、特色ある教育として「確かな学力の向上」「郷土教育の推進」「適応力の向上」に取り組んでいる。
今年度は、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、幸福で持続可能なまちづくり・学校づくりをするための個の学力、愛郷心、適応力の育成を目標とした。
■エコキャップ・コンタクトレンズ空ケース集め(全校生徒)
生徒会が中心となり、これまで続けてきたエコキャップ集めに加え、今年度からコンタクトレンズからケース集めも行った。全校生徒だけでなく多くの方の協力を得るために、活動の説明を書いたチラシを町内全戸に配付し、活動への参加を呼びかけた。
■後世に伝えたい地域の偉人「上木甚兵衛」について学ぶ~演劇「飛騨んじい」~(全校生徒)
大原騒動で農民を支援したことで流罪となったが、流罪先の新島の人たちからも慕われた上木甚兵衛について、岐阜県重要文化財として残る生家などを見学し、講師を招いて学習会を行った。また、上木甚兵衛とその息子の三島勘左衛門の孝行話を演劇にして、地域の方に披露した。
■地域の偉人「飛騨んじい」の物語で絵本作り(全校生徒)
前項で演じた演劇をもとに、生徒がイラストを描いて絵本を作成した。保育園に読み聞かせに行ったり、地域の施設に置いていただいたりした。
■梅花藻(バイカモ)の保全活動(1年生生徒)
学校のグラウンド脇を流れる側溝に群生している梅花藻(バイカモ)は、大変珍しく地域でも大切に保全をしている。そこで、1年生が側溝の周りの清掃や、流水の管理などを行い、保全活動の一役を担った。
■地域の宝「荘川桜」とダムに沈んだ故郷を忘れない活動「水没記念碑清掃」(3年生生徒)
地域の宝である「荘川桜」は、水力発電のために建設されたダム湖に沈むことになった荘川村中野地域から移植されたものであり、その存在はふるさとそのものである。そんな想いを継承するために、3年生が水没記念碑や荘川桜公園の清掃を行った。
■幸福で持続可能なまちづくり・学校づくりを考えるタウンミーティング(全校生徒)
白山ユネスコエコパーク内にあるユネスコスクールとして、地域や学校が持続可能なものになるためには、どのようなことができるのかを考えた。タウンミーティングには、地域で活動するいろいろな職種や立場の人々が集まった。
来年度の活動計画
(旧)高山市立荘川小学校
「地域一斉清掃活動」5月
地域住民と一緒に自分の住んでいる地区のごみ拾いや草刈り、側溝の土あげなどを行う。活動後はごみを分別し、地域の方と振り返りの会を行う。 「個人課題設定の追究学習」 3~6年生は、「だれよりも荘川町のことを語れる大人をめざして」を目標にして、個人追究課題を設定して探究する。その2年目となる。前年の学習を継続する子、新たな分野に挑戦する子が出てくる。また、前年の自分や仲間の学びと関連付けて学習する姿が見込まれる。 学習の成果は2月に保護者と地域住民、関わった講師に向けて発表する。小グループで感想や質問をやりとりする双方向の発表会を継続する。 |
(旧)高山市立庄川中学校
白山ユネスコエコパーク内にあるユネスコスクールであるという視点のもとに、幸福で持続可能なまちづくり・学校づくりを進めるためには、何ができるのかを提言し、実行力のある取組を行っていきたい。
-
- SDGs(17のゴール)を意識した学習カリキュラムによる確かな学力の育成に取り組んでいく。
- ESDに資する環境保全活動や文化継承活動を取り入れた郷土教育に取り組んでいく。
- 人々が幸福で共生するための社会性の発達支援をプログラムに取り組んでいく。