• たかやましりつしょうかわさくらがくえん
  • 高山市立荘川さくら学園

  • Takayama Municipal Shokawa Sakura Gakuen
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, 食育, エコパーク

所在地 〒501-5413 岐阜県高山市荘川町新渕130
電話番号 05769-2-2012
ホームページ http://www.shokawa.net/sakura-gakuen
加盟年 2018

2024年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, エコパーク

高山市立荘川さくら学園は、高山市立荘川小学校と高山市立庄川中学校が統合し、令和7年度に開校しました。

(旧)高山市立荘川小学校

高山市荘川町は、平成28年3月に白山ユネスコエコパークに登録された。本校と荘川中学校は、令和7年度から義務教育学校になることが決定しており、保育園と共に同じ校舎で生活することになる。保小中で系統的に郷土教育に取り組んでいる。本校では、ESDと郷土教育を関連付けて捉え、「生態系の保全と持続可能な利活用の調和」をテーマとして教育活動を進めている。ESDの実践を通して、児童が地域への愛着と貢献、また、地域の方人々と協働して生きていこうとする共生力を育成することを目標としている。また、追究の課題、学びの方法を自己決定することで、主体的に学ぶ姿を目指している。具体的には、「地域の自然遺産」「伝統芸能の継承」「地域の産業」「地域の歴史義民」を追究している。

①庄川での釣り体験と稚魚放流

庄川漁協の支援を受けて、場所の確保から道具と魚の準備をしていただき、子どもたちは楽しく釣り体験をすることができた。昼ご飯には、一人一匹ずつニジマスの塩焼きをいただいた。また、その翌週には、ヤマメの稚魚の放流体験させていただいた。体育館裏の河原で3000匹のヤマメを放流することができました。また、飛騨地区の川魚と魚の棲む環境作りについても教えていただいた。

②伝統芸能の体験

地元の方を講師に招いて荘川民謡を学び、運動会で披露した。4年生は、獅子舞で使う自分の獅子頭を作るようにしている。4~6年生は、毎年入学式にアトラクションとして獅子舞を披露している。今年度は、学習発表会で保護者や地域の方にも披露した。

③植林体験

森林組合からの依頼を受け、数年前の災害で荒れた地元の森林の植林作業を行った。午前中の3時間ほどの活動だったが、組合の方も驚くほど効率よく作業ができた。現在新築中の体育館に、その森林から伐採された木材が使われていることや、自分たちが植えた木が遠い未来に使われることを聞いて、長い時間をかけて森林を守ることの大変さや価値を感じた。

④ドローン教室

昨年度から、郷土学習をさらに充実させるため、地域の山林や河川などをドローンから空撮することを始めた。今年度は高学年のクラブ活動に「ドローンクラブ」をつくり、地元の愛好家の方を講師に招いて、高度な撮影もできるようになった。撮影した映像を元に作品を作り、市内の「児童会サミット」で発表することができた。

(旧)高山市立庄川中学校

活動のねらい

探究的な見方・考え方を働かせ、白山ユネスコエコパーク内にある荘川の文化、自然・環境、生活に関わる学習活動を通して、自ら課題を見つけ、主体的に学び判断しながら解決する資質や社会へ発信する力を育てる。

主な活動

保小中一貫カリキュラムの作成

・保育園から中学3年生までの12年間を見通した、探究的な学びを大切にした教育カリキュラムを作成し、系統的に学習した。
・荘川の地域の良さや課題点に目を向け、地域講師の方の協力を得ながら、主体的に探究的な学習に取り組んできた。
・主に3つのテーマ(文化、自然・環境、生活)に分類し、総合的な学習と他教科で横断的に荘川の郷土について学習し、持続可能な荘川について考えた。

文化(郷土芸能)をテーマとした主な学習

▶地域講師を招いた伝統芸能「獅子舞、笠踊り」の継承

小学校段階では地域の祭りを探究的に学び、獅子頭の模型などの制作も行ってきた。その学習を踏まえて、中学校段階では地域講師に獅子舞や笠踊りを指導いただき、地域のイベントで成果を発表した。地域の伝統芸能を絶やさないためにも、いろいろな行事でも披露したいと考えた生徒たちは、卒業式などでの披露を目指して、不定期に昼休みなどを利用して自主練習を行うようになった。

自然・環境をテーマとした主な学習

▶地域に自生している植物を観察 花や葉のつくり(理科)

小学校段階では水芭蕉や梅花藻など荘川に自生している植物について探究的に学んできた。中学校段階では、それまでに学習してきた高山植物や広葉樹などを、理科の学習と関連付けながら、より詳しく観察を行った。

▶荘川の自然をイメージした抽象画制作(美術)

秋の荘川は紅葉により山々が色鮮やかとなる。その荘川の自然の色の美しさを抽象画に表現して残す授業を行った。指導は、荘川に住んだことのある美術家に依頼した。荘川の自然の豊かさを再認識した生徒は、自然を保全することの大切さを知った。

▶荘川の自然の豊かさの情報発信

保育園・小学校と荘川の自然の豊かさを経験などを通して探究してきた生徒は、地域内外の人々にも知ってほしいと願い、季節ごとの荘川の自然を満喫できる旅行プランの作成や、自分で撮影した写真などを入れたカレンダーを作成した。旅行プランについては、旅行会社の方にも助言をいただきながらプレゼンにまとめて、地域の方に向けて発表した。

生活をテーマとした主な学習

▶勤労体験学習

地域外で働く人が多いなか、地域内で働く人たちの思いを知るために、地域内の事業所の協力のもと勤労体験学習を行った。地域のよさを観光などで訪れる人たちに知ってもらうための工夫や地域の人がより過ごしやすくするサービスなどを知り、地域で働くことの意義について考えることができた。

▶項目立てて案内文を書く(ポスター)国語

地域の生活文化について探究的に学ぶ小学校段階をもとに、中学校段階では情報発信する取組を多く行う。より効果的な情報発信ができるように、国語科では学習発表会などのポスター作りを題材に案内文の作成について学習した。

▶地域の特産品づくり

小学校段階では、地域の特産であるソバの栽培やそば打ちについて探究的に学んできた。中学校段階では、ソバの栽培に込めた地域の人たちの想いを知り、自分たちも地域を盛り上げるためにソバを生かした特産品がつくれないか試行錯誤することとした。まずは、ソバを使った和菓子をつくり、地域の方に試食していただくことにした。今後は、その意見をもとに商品開発をすすめていくこととした。また、この取組は新聞にも取りあげられ、地域の方にも広く知っていただくことができ、応援の声が寄せられた。

▶平和な暮らしづくり

第2次世界大戦および原爆投下の学習を踏まえて、広島を訪問した。また、その中で学んだことを、下級生にプレゼンして平和の大切さを訴えるだけでなく、平和な暮らしについて提案した。

来年度の活動計画

(旧)高山市立荘川小学校

「個人課題設定の追究学習」

来年度から義務教育学校として9年間の学習が開始する。3~4年生は、郷土の自然や伝統文化について学び、5~6年生は、個人追究課題を設定して探究する。前年の学習を継続する児童、新たな分野に挑戦する児童も出てくる。また、前年の自分や仲間の学びと関連付けて学習する姿が見込まれる。学習の成果は、12月の発表会で保護者と地域住民、関わった講師の方々に向けて報告する予定である。小グループで感想や質問をやりとりする双方向の発表会を継続する。

(旧)高山市立庄川中学校

白山ユネスコエコパーク内にあるユネスコスクールであるという視点のもとに見直した今年度のカリキュラムについて、来年度も継続して実践していく。

保育園から小学校、中学校と系統的に学習が進めるだけでなく、地域の方にも広く参加してもられるように、地域学校協働本部を設置する。

過去の活動報告