2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 人権, 持続可能な生産と消費

本校は,ESDを「困難な問題について考え,立ち向かい,解決するための学びであり,持続可能な社会の担い手を育む教育」と捉え,実践している。その際,地域の方々の協力の下,ふるさと只見について理解を深めながら,地域の価値を再発見し,まちづくりを担う人材を育てる「只見学」と海洋教育といった視点も大切にしてきた。

具体的には,学校としての研究主題を『ふるさと只見、そして日本の未来を拓くたくましい子どもの育成~海を通して、地域と自分の未来を見つめ、考え、行動する~』と掲げ、①只見学の実践。②地域とともにある学校づくり。③海洋教育の視点を加えたESDを行った。

① 只見学の実践

発達段階に応じた只見学の学習計画を作成し,地元の施設見学やゲストティーチャーを招いての活動など,ふるさと只見のよさを感じる体験を取り入れながら活動を行ってきた。また,学んだことを生かして,町の「只見おもしろ学検定」を受験することを通して理解を深めたり,ふるさとを学ぶことへの意欲向上を図ったりすることができるようにしてきた。

② 地域とともにある学校づくり

只見のよさは自然環境だけではない。戊辰戦争時,河井継之助にまつわる「命の種もみ」の話でも有名な只見の人の温かさは今も昔も変わらず同じである。コミュニティスクールの機能を生かし,授業,農業体験,読み聞かせなど多くの地域の方々が学校教育に参画してくださっている。

③ 海洋教育の視点を加えたESD

総合的な学習の時間と生活科,学校行事を中心に「海に親しむ,海を知る,海を利用する」という海洋教育の視点を付加してESDを実践している。これは「只見の自然と共生することが水環境を通して海を守ることにつながること」を学び,将来の町の在り方を考え,自己実現や社会貢献のための実践力を育む取組である。各ブロックのテーマを,低学年「只見の人や自然を感じよう」,中学年「ユネスコエコパークのまち只見の水と海」,高学年「ふるさと只見の産業を考える~地域産業発展のために~」とし,体験的・探求的な学習を進めている。

来年度の活動計画

次年度も,海洋教育の視点を加え,ふるさと只見を愛する心を育むESDに取り組む。

4月 各学年のテーマに基づく学習計画を立案し,ESDの実践をスタートさせる。

5月 モーターボートに乗って田子倉湖を散策し,只見の自然のすばらしさを体感する。

6月 八十里峠(国道289号工事現場見学)を越えて日本海に進み,只見から流れる水の行方を確認し,感じたことをもとに今後の見通しをもつ。

9月 ふるさとの山を登ることで,只見の自然の雄大さを味わったり,新たな課題を見いだしたりする。

10月 学習発表会において,ESDで学んだことを劇やポスターセッションなどで発表する。

11月 ESD・海洋教育公開授業研究会を開き,ESDの実践について参観された方々と共に考えていく。

1月 これまでのESDの実践や成果の報告会を行う。

2月 「全国海洋教育サミット」で,一年間の海洋教育の視点を加えたESDの実践を報告する。

その他 海洋教育の視点を加えたESD実践研究授業を近隣のユネスコスクールと互いに参観し合い,研修を深める。