2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 減災・防災, 健康

本校は、「自己の生き方を考えることができる児童」を活動テーマとして、
ESDを「探究的な見方・考え方を働かせ、人、もの、ことと関わる学習」と捉え、
ESDの実践を通して
・ものごとを思慮深く考え、判断する力。
・コミュニケーションを行う力。
・他者と協力する態度や他者とのつながりを尊重する態度。
の育成を目標とした。
具体的には、調べ学習、交流活動、発信を柱に、
①地域社会に関わる活動、②環境に関わる教育、③食文化や食育に関わる学習、④福祉に関わる学習を行った。
①地域社会に関わる活動
6年生が、自分たちの力で野菜を栽培し、それを販売、収益を得る活動を通して、直面する様々な課題を解決していく活動を行った。「安心な食べ物とは」「体に良いとは」「野菜と環境」などの観点から、調べ学習を進め、自分たちの住んでいる地域で安全に生産された野菜を消費することの意義や、地元商店街で働く人々の仕事内容を知り、収益の有益な使途を考えて、活動から学んだことを発信した。子供たちが主体的に考え、活動することができたが、導入段階の主体性、意欲づけが課題である。

②環境に係わる教育
1年生が、身近な自然に触れ合う活動として、公園でまつぼっくりやどんぐりを拾ってきて、飾りやけん玉、迷路などを作った。拾ってきたものを工夫して使い工作することができた。完成後は、友達と作り方や遊び方などを聞きながら交流し楽しんでいた。
3年生が、地球温暖化の原因、被害、解決策を調べる「エコライフ大作戦」に取り組んだ。原因が私たち人間の生活にあることを知り、これからの地球のために、東京都CO2削減アクションに1週間取り組んだ。大変だったが、ちょっとした努力の積み重ねで、多くのCO2が削減できることを実感した。これからもこの小さな努力を積み重ねていくとともに、この取り組みを世界に広げていこうと、環境に対する意識が高まった。
5年生が、学級で発表会を行い、富士山に関わる環境問題について互いが調べた内容を共有し、よりよく伝わるよう話し合いを重ね、全校児童、地域・保護者に向けて発信した。世界文化遺産に登録された富士山の景観を守るための取組を調べることを通して課題を見出し、私たちが環境を守るために何ができるのか考えることができた。また、発表会を通して、児童が学んだことを発信していく場をもち、表現力の向上につながった。
③食文化や食育に係わる学習
2年生では、自分たちに関わりのある仕事である給食を作ってくださっている栄養士さんの話を聞くことから学習を始めた。身近で働いている人への関心をもつとともに、日頃食べている給食について考える機会にもなった。学習の終わりには、自分たちの身の回りにあるものや出来事には、そこに関わっている人々の願いが込められていることに気付き、多くの人とのつながりを大切にしようとする態度につながった。
3年生が、大豆の栽培・大豆の加工品の歴史や意味などの調べ学習・調理体験を通して、日本の食文化と食の安心・安全について考える活動を行った。教科(理科)と関連して、大豆の栽培方法を調べ、大豆を育て、教科(国語)と関連して、大豆を使った料理について図書資料等から調べ、班ごとに発表した。ゲストティーチャーにとうふの作り方を教えていただき、とうふ作りを体験する活動を通して、豆腐屋さんのとうふ作りへの思いや食の安心・安全について考えることができた。子供たちは、「値段が高くてもより安全・安心な食品が多くなればいい。」「品物の安全を確かめることは重要だと感じた。ラベルを見て、使われているものや原産国を買い物のときに調べたい。」といった自分の生活に関わる考えをもつことができた。
5年生が、社会科「米づくりのさかんな地域」で、日本の稲作について、生産量の推移や農家の工夫、問題点等について学習した。並行して、総合的な学習の時間に校内の水田を活用して、稲作体験を行った。実際に稲作体験をする中で、生産するまでの苦労、収穫できた喜びを感じ、学びを深めることができた。また、家庭科「食べて元気!ご飯とみそ汁」では、収穫した米を炊飯し、調理の技能を高めることができた。

④福祉に係わる学習
4年生が、体の不自由な人のための工夫、まちの中のバリアフリーを調べる活動を通して、自分なりの疑問・課題を見つけ、解決の見通しをもって必要な情報を収集し、課題を解決していく活動を行った。まとめとして、だれもがくらしやすいまちについて調べた施設ごとに発表し、今後自分が取り組むことや自分の考えを発信した。バリアフリーという観点からまちを見直し、ともに助け合って生きていこうとする態度を育てることができた。課題として、施設担当者へのインタビューはできたが、より深い学びの為に、利用者の考えや思いを関わりの中で実感できるとよい。

来年度の活動計画

平成31年度の多摩市子ども未来会議での発表・話し合いへの参加に向けて、学校全体でESDを推進する。
「ものごとを思慮深く考え、判断する力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度や他者とのつながりを尊重する態度」の育成を目標とする。
具体的には「調べ学習」、「交流活動」、「発信」を柱に①地域社会に関わる学習、②環境に関わる学習、③日本の文化に関わる学習、④福祉に関わる学習 を行っていく。
それぞれの学習の中で、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」を共通のテーマに掲げて活動を行い、未来会議参加学年、参加児童だけでなく、全ての児童の意識を高め、それぞれの学年の目標に応じた資質・能力が高まるようにする。また、校内外での発信・発表の機会を全学年に設定し、発信する力や児童が互いに高め合う力の育成を図る。