所在地 | 〒656-0012 兵庫県洲本市宇山2丁目8-65 |
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電話番号 | 0799-22-1240 |
ホームページ | http://www.hyogo-c.ed.jp/~sumoto-ihs/ |
加盟年 | 2017 |
2024年度活動報告
海洋, 環境
本校では「健康・誠実」という学校理念のもと、ユネスコスクールが重点的に取り組む目標(持続可能な開発および持続可能なライフスタイル)の達成に向けて、環境問題や海洋問題を中心とした活動を展開しています。生徒が主体的に考え、行動し、地域の方々と協働しながら未来を創造する力を育むことを目指しているのが大きな特徴です。
まず、「三海峡クリーンアップ作戦」については、昨年度に続き今年度も主催者側として参画しました。特に10月26日には、近隣高校にも声をかけてスタッフの数を増やし、より多くの若者の力を結集することができました。高校生が企画・運営を担う紀淡海峡会場では「ゴミ拾いを楽しく」というテーマのもと、五つのチームに分かれて海岸のごみを競争形式で拾う「砂浜のG1グランプリ2025」を開催し、収集したごみをステッカーや装飾でアートに変える取り組みを行いました。また、参加者一人ひとりの環境に対する想いを付箋に書き込み、巨大なモザイクアートに仕上げることで、楽しみながらも環境意識を高める工夫ができたと感じています。実際に参加した地域住民や高校生からは「普段のごみ拾いとはまったく違う視点で海を見られた」と好評を得ており、200名以上の参加者とともに盛り上がる行事となりました。
次に、Wood Luckプロジェクトは、自然豊かな淡路島ゆえに深刻化している獣害問題に着目して始められた取り組みです。本年度は集落の関係人口を増やすことを大きな目標とし、11月10日に行われた「レトロなまち歩き」イベントにてさらなる発展を図りました。地元の家具店に協力を仰ぎ、八木馬回集落で獣害対策として伐採された木を加工してもらい、本校のレーザー加工機で焼き印を入れたオリジナルコースターを製作・販売したのです。さらに、昨年度に続いて地元小学生向けのワークショップを行い、子どもたちに木材の魅力や獣害の現状を伝える機会をつくりました。これにより、集落と小学校を結びつける新たな交流の場が広がり、「小学生のうちから地元の課題を学ぶ良いきっかけになった」と喜ばれる場面も見られました。
また、Kaguyaプロジェクト(竹取物語~ものづくりで放置竹林解決~)では、前年度からの授業やクラブ活動で学んだ放置竹林問題を基礎に、ものづくりによる課題解消の取り組みをさらに充実させています。昨年度は「遊ぶ」「アートする」「食べる」「焼く」という四つの切り口で竹を多面的に活用し、竹灯籠の展示やワークショップ、竹燃料を使った焼き鳥・焼き芋の模擬店、そして竹炭の製作などを行いました。本年度は、その活動を一層強化し、文化祭や地元のイベントだけでなく、他校の生徒も招いて竹を切る整備体験や竹筒を器にした茶碗蒸し(バンブーたまごむしむし)の試作・販売といった試みを続けています。こうした活動をSNSで広く発信することで、放置竹林問題を知らなかった高校生や地域住民にも関心を高めてもらうきっかけになりました。高校生同士のつながりが新たに生まれ、放置竹林を「一緒に解決していく」という意識が少しずつ醸成されているのを実感しています。
以上の三つの主なプロジェクトを通じて、生徒はそれぞれの立場や役割で行動力やコミュニケーション力を高めてきました。地域の方々からは「若い世代が中心となり、楽しく活動してくれるので心強い」との声が寄せられており、学校としても一定の手応えを感じています。昨年度までの取り組みに加え、今年度は新たな協力者や連携先が増えたことで、活動の幅が広がりを見せました。
来年度の活動計画
来年度は、これらのプロジェクトを継続・発展させるとともに、島内外の高校生ネットワークを活用したコラボ企画や、地元企業と連携した新たな商品開発などを検討する予定です。ユネスコスクールとしての学びをさらに深めるため、持続可能な社会の実現に貢献できる力を育成しながら、地域課題の解決に一歩ずつ近づいていきたいと考えています。学校全体としては「未来を創造する力の育成」を引き続き柱とし、環境・海洋分野で培ったノウハウを、他の学習領域にも広げていく所存です。今後も教職員・地域住民・生徒が一丸となって、新たな挑戦を重ねながらユネスコスクールの理念を体現していきます。