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加盟年 2015

2024年度活動報告

活動分野

国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校は「1. 他者に奉仕できる人間になる」「2. 知的で品格のある人間になる」「3. 自由と規律を重んじる人間になる」「4. 世の中に流されない凛とした人間になる」「5.平和をつくり出し、発信する人間になる」を教育目標としている。ユネスコスクールがミッションとして掲げる「平和な世界の構築」と「持続可能な社会の促進」の達成を目指し、本校では下記のような活動に取り組んだ。

具体的には、キリスト教教育、平和学習、国際交流のを柱に、(1)土曜集会プログラム、(2)長崎・沖縄への修学旅行、(3)ARE学習、(4)平和提言、(5)海外(主に姉妹校)への留学生派遣および受け入れプログラム、(6)生徒による国際交流グループ(SMIS)の活動を行った。特に新型コロナ・ウィルスの流行に伴い、2020年度から中止していた短期留学の派遣プログラムを今年度は全面的に再開することができ、多文化共生のための相互理解や交流を深めることができた。

(1)土曜集会プログラム

対象:中学校・高等学校全生徒

実施回数:月に1回

主な内容:

・講談師・戦争体験語り部 神田香織氏による講演

・セーブ・ザ・チルドレン 金子由佳氏による講演

・「諸宗教に学ぶ」中1:カトリック教会・聖イグナチオ教会訪問 中2:イスラム教モスク・東京ジャーミー訪問 中3:仏教寺院・龍源寺座禅体験

・ペシャワール会 藤田千代子氏による講演

 

(2)長崎・沖縄への修学旅行

①長崎修学旅行

対象:中3生徒全員

期間:5月中旬 3泊4日

内容:平和公園、浦上天主堂、被ばく鳥居、原爆資料館などを訪ねながら、「長崎証言の会」の方をお招きし、原爆が投下された当時の長崎について話を伺った。

②沖縄修学旅行

対象:高2生徒全員

期間:5月中旬 3泊4日

内容:真珠湾攻撃によって始まった太平洋戦争時に、日本の国土で唯一地上戦となり、多くの一般市民が犠牲となった沖縄の戦争跡を見学した。平和祈念公園、ひめゆり平和祈念資料館、糸数壕、チビチリガマなどを訪れ、沖縄戦の悲惨さを学んだ。

 

(3)ARE(Ask・Research・Express)学習

自らの問いを調べてまとめることにより、自発自習能力を養うことを目的としている。中学1年生は、地域の課題について調査、分析した結果をレポートにまとめた。中学2年生は、長崎修学旅行への準備学習として、原子力爆弾について調べ学習を行った。中学3年生は、「平和と人権」をテーマに、原爆や戦争を生み出す社会について学習したほか、ハンセン病患者を隔離した歴史についても学び、一人一人が個人として尊重される社会の在り方について考えた。

 

(4)平和提言集

「戦いのない世界にするために」という題のもと、具体的な提言を中高生から募集し、6名の応募があった。選考を行い、入賞した提言は全校生徒に配布する「チャペルニュース」に掲載した。

 

(5)海外(主に姉妹校)への留学生派遣および受け入れプログラム

・派遣プログラム①

派遣先:St. Stephen’s Episcopal School(アメリカ・テキサス州) ※姉妹校

対象:高校1年生1名

期間:9月~次年度5月

内容:寮で生活しながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。

・派遣プログラム②

派遣先:St Margaret’s College(ニュージーランド・クライストチャーチ)※姉妹校

対象:高校1年生1名

期間:1月~次年度9月

内容:現地生徒宅にホームステイをしながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。

・派遣プログラム③

派遣先:Queen Margaret College(ニュージーランド・ウェリントン)※姉妹校

対象:高校1年生2名

期間:1月~次年度9月

内容:寮で生活しながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。

・派遣プログラム④

派遣先:Queen Margaret College(ニュージーランド・ウェリントン)※姉妹校

対象:高校1・2年生 計8名

期間:7月下旬から8月上旬 約2週間

内容:現地生徒宅にホームステイをしながら、実際に行われている授業を体験したほか、アボリジニの文化にも触れた。

・派遣プログラム⑤

派遣先:University of California Davis (アメリカ・カリフォルニア州)

対象:高校1年生17名、高校2年生4名

期間:8月上旬 9日間

内容:カリフォルニア大学デービス校の研究員から、生命科学や化学の講義を受け、最先端の研究がどのように社会を変えていくのかを学んだ。

・派遣プログラム⑥

派遣先:St. Margaret’s School(アメリカ・ヴァージニア州)※姉妹校

人数:中学3年生2名

期間:3月下旬 約2週間

内容:学校の寮に宿泊し、実際に行われている授業を体験したほか、生徒との交流を深めた。

・受け入れプログラム①(短期)

派遣元:St. Margaret’s School(アメリカ・ヴァージニア州)※姉妹校

人数:生徒1名

期間:6月中旬 約2週間

内容:留学生は本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。中高の授業に参加したほか、付属の小学校を訪問したり放課後に交流会を実施したりした。

・受け入れプログラム②(短期)

派遣元:Trinity University of Asia High School(フィリピン・ケソン市)※姉妹校

人数:生徒2名、教員1名

期間:10月下旬 約10日間

内容:留学生は、本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。英語の授業や文化祭に参加したほか、放課後には交流会を実施した。

・受け入れプログラム③(長期)

派遣元:St. Stephen’s Episcopal School(アメリカ・テキサス州)※姉妹校

人数:生徒1名

期間:9月~次年度6月

内容:本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。

・第8回高校生カンボジアスタディツアー(日本ユネスコ協会連盟主催)

高校1年生1名が選出され、7月29日~8月5日に実施された同ツアーに参加した。帰国後は、礼拝の時間にツアーでの学びを全校生徒の前で報告したほか、文化祭でも現地での経験を模造紙にまとめ発表した。

 

(6) 生徒による国際交流グループ(SMIS)の活動

SMIS (St. Margaret’s International Society)では、主に下記の活動に取り組んだ。

・模擬国連活動

年間を通じて模擬国連演習を行ったほか、第8回全国高校教育模擬国連大会(AJEMUN)や他校主催の模擬国連会議といった外部大会にも参加し、世界の諸問題を解決するための意識・態度・能力を身に付けるよう努めた。

・SDGsについての学習活動

「子どもたちに〇〇を」の空欄に入る文言をSDGsの目標の1つと関連付けてグループ発表を行い、世界の諸問題について理解を深め、自分たちにできることは何かを考えた。

・「届けよう、服のチカラ」プロジェクトへの参加

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とユニクロ・ジーユーを展開している(株)ファーストリテイリングが共同で実施している同プロジェクトに前年度に引き続き参加した。出張授業で難民問題について理解を深めたのち、文化祭で着なくなった子ども服を回収し、ファーストリテイリングを通じて難民の子どもたちに届けた。

・寺子屋リーフレット制作プロジェクト

ユネスコ協会連盟が実施している世界寺子屋運動について学びを深め、寺子屋リーフレット制作に参加する生徒を募集した。7名が作品を提出し、投票で選出された2名の作品を日本ユネスコ協会連盟に提出した。

・書き損じハガキの回収

昨年度に引き続き、年賀状の書き損じの提供を全校生徒に呼びかけ、年明けに回収し、ユネスコ協会に届けた。

・「SMIS新聞」の作成

本校に派遣されてきた留学生へのインタビュー記事などを壁新聞に掲載し、全校生徒に国際プログラムへの興味を喚起した。

来年度の活動計画

キリスト教を基盤とする学校として、土曜集会や礼拝を通して、平和を愛する心を育み、平和をつくり出し発信できる者へと成長するための活動を継続させていく。また海外の姉妹校(アメリカ2校、ニュージーランド2校、フィリピン1校)ともさらに交流を深め、広く世界に目を向け、世界的な視野に立って諸問題の解決にあたる意識・態度・能力を育むことを今後も目指す。具体的には、模擬国連活動を活発化させたり、ARE学習をさらに充実させたりすることで、自分の力で課題を発見しそれを解決する力を養う様々なプログラムを実施していきたいと考えている。

過去の活動報告