所在地 | 〒206-0021 東京都多摩市連光寺3-64-1 |
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電話番号 | 042-373-1920 |
ホームページ | http://schit.net/tama/esrenkouji/index.php?page_id=0 |
加盟年 | 2011 |
2024年度活動報告
生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 持続可能な生産と消費, 食育
東京都多摩市立連光寺小学校の学区域は、古く万葉からの歴史や里山が残っている。「総合的な学習の時間」の発足とともに、こうした地域環境資源を用いた教育活動を行ってきた。今年度は、私たちの取り組んできた環境教育をマスターピースとしたESDを、将来にわたってよりよい社会へと変えていこうというマインドセットを身に付けるため、アントレプレナーシップ教育の視点を新たに取り入れて実践を行ってきた。
【1年生の主な学習活動 「多様な自然体験」】
一年間、季節を意識させて校庭や隣接公園で動植物に触れ合ったり、友達と一緒に、自然の物を利用した道具で遊んだりしながら、自然と関わる楽しさや自然の不思議さに気付く活動を行った。原体験を積むことでの、感性、感受性の醸成に努めた。
【2年生の主な学習活動 「うさぎはかせになろう」「やぎはかせになろう」「地域探検」】
学校飼育動物である「うさぎ」と「やぎ」を活用し、獣医師と連携しながら、動物の立場に立った接し方、飼育の仕方を学び、実際にうさぎについては3年生から引き継いで飼育の世話を行っている。地域探検では、地域の施設ばかりだけでなく人との接点をもち、地域の一員としての自覚をもたせた。動物も人も、接することで相手をよく知るという他者意識の向上を目指した。
【3年生 「めざせ桜ケ丘公園ガイド」「桜の丘学園の友達と仲良くなろう」】
学校に隣接する都立桜ケ丘公園の自然や歴史をテーマに、都立桜ケ丘公園ボランティアの力も借り、自分たちの五感で確認したことをもとにした探究活動を進めた。その中で、多摩市役所が進める市立大谷戸公園のインクルーシブ遊具の新設にも関わらせていただいた。主体的に「課題発見・調査・まとめ・発信」に取り組む、総合的な学習の時間の学び方の基礎を身に付けた。
【4年生 「川は自然の宝箱」】
多摩川での共通体験となる基礎講座を専門家の協力を仰ぎながら行ない、それぞれの興味や関心にそって、個人の追究テーマを決めて課題解決学習に取り組んだ。テーマには、魚・石・水質・鳥・植物などがあり、専門家の方にも継続的に調査方法や着眼点などを教えてもらい、探究活動を進めた。また、メインフィールドの多摩川中流にとどまらず、上流や下流にも総合見学に向かい、それぞれの課題の視点で調査も行った。
【5年生 「連光寺SATOYAMAプロジェクト」】
4年生で学習したことをもとに川の源である地域の里山を舞台として、さらに地域の森林環境の探究活動を中心としてESDの視点で学び、造詣を深める活動を行った。谷戸田での米作りや竹炭づくりも体験した。後半は個別にテーマを決め、里山や森林での動植物の調査やしながら、里山や森林、及び人間の社会活動との関わり、その価値や環境保全について探究活動を進めた。また、6年生で取り組むエネルギーの学習の全段階として、太陽光発電施設への総合見学も行った。
【6年生 「未来に優しいエネルギー」】
これまでの学習を活かし、グローバルな視点をもつことを目指した。再生活動エネルギーである風力発電や太陽光発電、水力発電などに取り組むことで、再生可能エネルギーの可能性を探り、持続可能な社会の在り方を考えた。また今年度から総合見学として、神奈川県の相川水力発電所の見学も行った。子供たちが発電した電気で、聖蹟桜ヶ丘駅前にイルミネーションを点灯させ、環境保全を訴えた。自分たちの学びがSDGsにどう繋がっているかを常に意識・検証させながら、これからの社会の在り方について考え発信した。
来年度の活動計画
今年度は、持続可能な社会づくりについて学んだ知見を、将来どう活かしていくのかといった現実的な課題と直面した際に不可欠となるマインドセットをどう持たせ、維持させていくかについて、アントレプレナーシップ教育の視点をもって活動を深めていった。
プログラム、教師のファシリテーション、検証方法にまだ不透明な部分があることから、次年度も引き続きマインドセットの醸成に力を入れて活動をコントロールしていく。将来社会に出た時に、どのような大人となり、どのような活動をしていくのか、そういった意思や見通しをもたせてこそ人材育成であろう。そのためには、アントレプレナーシップ教育の考えに立ち、その要素を教育活動の中に取り入れていくことが欠かせないことは共通確認できた。