所在地 〒567-0008 大阪府茨木市太田東芝町1-1
電話番号 072-643-1333
ホームページ https://www.otemon-jh.ed.jp/
加盟年 2014

2024年度活動報告

活動分野

減災・防災, 文化多様性, 国際理解, 福祉

2024年も、Glocalな活動の場の創出に努めた。Globalの文脈においては、5月にアメリカ(Portland)から9年生7名の学校体験およびホームステイを3日間、メキシコから8年生~11年生46名の半日学校体験、9月にリトアニアから11年生2名の短期留学およびホームステイを1か月、インドネシアより10年生30名の学校体験2日間を受け入れた。今後2月に台湾の8年生36名の半日学校体験、3月にタイの10・11年生32名の半日学校体験を受け入れる予定である。これらは、公教育機関として、留学に行くゆとりのある家庭層のみならず、すべての生徒にグローバル社会を意識できる場作りとして取り組んでいる。校内に海外のゲストがいることが当たり前となり、直接的に教室で接する生徒たち以外の生徒たちも含め、受け入れ態勢が整っている。
Lolalな文脈では、これまで同様にSDG11「住み続けられる街づくり」への貢献の一環として、「中高生がハブとなった地域の活性化」を目標に取り組んできたが、今年度は地域とのつながりをより濃くすることができた。例年、茨木市教育委員会と協力して実施している「青少年による青少年のためのイベント」や、茨木市国際親善協会の主催する「国際交流の集い」に加え、今年度は本校の最寄り駅JR総持寺-阪急総持寺間にある庄地区の自治会および庄春日神社との協働で地域活性活動に取り組んだ。
茨木市庄地区にある庄春日神社では、歴史深い秋祭りを毎年実施している。ところが、コロナ禍を境に参加者や神輿の担ぎ手が激減してしまい、祭りの存続が危機的状況になりつつあった。コミュニティのつながりが希薄になり、その力が弱まっている証左である。一方で、近隣の新興マンションはじめ、若手世代の数は確実に増えつつあるという貴重な資源を持つこの地域において、庄春日神社、地域の福祉法人、地域の自治会メンバーと地域の学校である本校が協働で、祭りを地域の人が集まる契機とするためのプロジェクトを立ち上げた。10月の開催に向けて6月から活動し、本校のみならず神社の社務所でも企画会議を重ねた。その取り組みをまとめたものを、途中経過として7月の文化祭で、11月には活動報告としてポスターを地域の文化展で展示し、祭りの周知を図った。本校としては、ユネスコ国際研究部と、高校1年生創造コース(創造3期生)の有志を中心に、一般生徒からも参加者を募り、実行委員会を立ち上げて企画に臨んだ。会議では様々な案が出たが、一年目ということもあり、今年度は確実に実現可能な案として、小学生以下層をターゲットとしたイベントを企画した。これは、小学生以下の子どもたちを祭りに取り込むことで、次世代に祭り自体に興味と愛着を持ってもらい、将来の祭りの担い手として候補となる人財を早い段階で取り込んでおくことと、20代後半~40代前半の保護者層を巻き込むことで、次年度からの即戦力として期待が出来ると考えたためである。地域の子どもたちが、保護者の方と協力して参加できる「宝探し」を神社前の公園で実施し、100名を超える幼児・児童が参加してくれ、大いに祭りを盛り上げた
この活動を通して、生徒たちにとっては自分たちが地域のためにできること、しかもそれは大人にはできないかもしれないことができるという自己効力感を得ることができるとともに、普段自分たちが生活している学校という場を離れた場所で、様々な年代の、様々なニーズを持った人たちと接することによって、思考力・判断力・表現力を磨く機会ともなった。また、地域にとっては中高生の斬新なアイディアと、その底抜けのエネルギーによって活気付くことがわかり、お互いにとって良い機会となった。この行事の成功をきっかけに、次年度以降は一過性のものにならないよう、年中を通して地域と学校での協力関係を築いていきたい。以下に、プロジェクトの詳細について補足説明する。
【Project概要】
JR総持寺駅南、庄地区にある「庄春日神社」。歴史ある神社であり、かつては人気のあった神輿の巡行も、地域のつながりが薄くなるにつれ、その担ぎ手が若い世代から出て来ず、これまで担ぎ手は地域内居住者に限定していたが、広く募集することに。神社では、毎月大小の行事が執り行われており、この機会に、追手門学院中高と庄神社でコラボレーションし、このお祭りをきっかけに地域を元気にする取り組みを考えていこうということでプロジェクトが生まれた。依頼を受けたユネスコ国際研究部が高校1年生創造コースに協力依頼をし、全校生徒に呼びかけをして有志を集めて実行委員会を立ち上げた。

【連携地域代表者】
〇野口英司さん(庄春日神社祭運営委員長)
庄春日神社における祭礼の全体的な準備や運営における采配。地元生まれの地元育ち。
〇神野享士さん(庄栄エルダーセンター 施設統括・CSW)
茨木市から委託を受け、地域課題の解決に向け様々な機関と連携・協力。
★野口さん・神野さんは「子ども会」がない地域の課題を挙げ、祭りをきっかけに住民同士の交流を促進し、災害など「いざ」という時の共助の基盤を築きたいと考えている。特に若い世代が多い大型マンション住民を巻き込み、地域に活気を呼び戻したい。

【事前準備】
地域の代表者を招いての本校での大きな会議を2回、社務所での会議を1回、その他核内で実行委員会を重ねて準備をした。(以下、会議で出た意見・案)
1. 祭りのコンセプト:「高校生と一緒に祭りを楽しむ!」
前夜祭を通じて交流を深め、当日繋げる流れを構築。高校の文化祭の出し物を流用したり、クラブ員の協力をあおぐことも検討。
2. 出店の提案
境内や祭り経路に位置する施設でのイベント開催。候補地:ちとせ幼稚園、近隣の公園
3. 地域学校とのコラボレーション
候補:三島中学校、庄栄小学校
三島中学校に関しては高岡校長との交渉が可能)
4. 広報活動(チラシ配布やポスター掲示)
巡行経路の大型マンション(※管理事務所に事前交渉が必要)、歯医者、動物病院、塾、地区掲示板、公民館、西河原市民プール、市の広報、庄栄コミュニティセンター
5. 祭りの規模とスケジュール案
A案:前夜祭+当日  B案:前夜祭+当日+後夜祭  C案:当日のみ
6. 興味喚起策
境内に足を踏み入れる仕掛けとして、神輿のレプリカ制作・体験はどうか?

【当日の活動内容】
1.庄春日神社前の公園での「宝探し」イベントを実施
⇒100名を超える参加者
2.神輿の担ぎ手として参加。実際に神輿を担ぎ、声を出して地域を巡行
3.会場設営・解体補助
4.直会(なおらい)への参加

【振り返り会より(参加生徒の声)】
・自分たちの企画に地域の人が好意的に協力してくれ、みんなが全力で取り組んだ時の力の大きさを感じた。誰かが一生懸命やっていると、それが連鎖して皆が本気になる。
・祭りの運営側の大人はもちろん、参加してくれた子連れのお母さんなど、同じ地域に住む人と関係を作ることができ、今後の展開が楽しみ。
・事前に決まってなかったわけではないが、現場に出ると臨機応変に動く必要があり、その場で役割分担をしてあたることができた。
・対象者(小さい子どもたち)に目線を合わせることができた。
・熱意とエネルギーでうまくいった感はあったが、事前のミーティングは細かくやった方がよかった。イベント内容の情報が錯綜した場面があった。
・案の段階で終わってしまって、次年度に引き継ぐことが多かった。
・人手が足りなかった。校内募集を強化する必要がある。
・今回は小さい子どもたちをターゲットにしたが、このお祭りは高齢者に元気を与える意味合いも強いと思うでの、その層も巻き込みたい。
・次年度に向けては前夜祭のような形、さらには祭りを一過性のものとせず、様々なイベントをふた月に一度程度開催してより広く深くつながりを作っていきたい。宮司さんと宝探し委会場にて神輿巡行の様子宝探しイベントの様子

来年度の活動計画

2025年度も引き続きGlocalな場作りに努める。
Global面では、具体的には4月にアメリカ(Portland)の9年生を5日間、7月にアメリカの11年生を1週間、11月にフランスの10・11年生を5日間、12月にインドネシアの10年生を2日間受け入れの予定が決まっている。また、大阪観光局をはじめ、外部組織からの依頼があれば極力受け入れる方向で進めていく。
Local面では、庄春日神社を中心とした街づくりを、祭りという枠組みを超えて広く展開したい。また、12月の青少年イベントに関しては、昨年度から今年度にかけて協力クラブが9から6に減少したので、10クラブの参加を目指す。2月の国際交流の集いに関しては、今年度はチラシ作りに生徒がかかわったが、2025年度はより早い段階で、実行委員会に生徒を参加させ、当日のブースのみならず運営の段階からイベント作りに関わるような仕組みを作る。こちらに関しても、地域からの要請があれば、ユネスコ国際研究部から全校生徒に呼びかけ、できるだけ多くの郊外での活動の場を提供したいと考えている。

過去の活動報告