2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は,「学校は,将来のある子どもたちに,夢と希望と志をもたせる場である」を学校理念の一つとし,ESDを未来を切り拓く力の土台となるものと捉え,ESDの実践を通して,地域の自然や環境を見つめ,未来の大島を心に描きながら,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考える児童の育成することを目標とした。

具体的には、学校のある大島で生産される農産物や水産物を柱に、①ユズ・ソバ栽培体験学習(3年生)、②ワカメ養殖体験学習(4年生)、③カキ養殖体験学習(5年生)、④ホタテ養殖体験学習(6年生)を行っている。

① ユズ・ソバ栽培活動(3年生)

大島の特産物となっているユズについて,年間を通して花や実の観察や収穫体験を行うとともに,栽培に携わる方に苦労や工夫を聞いたり,ユズを特産とする他地域(高知県)の方から,特産となった歴史を伺ったりすることを通し,自分たちの暮らす土地への愛着を深めた。また震災後,大島に特産物を作ろうと,ソバの栽培をしている方々より,地域のソバに関する話や民話を伺った。その後,一緒にソバの種まき,花や実の観察,収穫を行った後,ソバ打ち体験を行った。

2月には,これまで調べたユズやソバのことや,体験から得た気付きなどをまとめ,発表会を行う。

② ワカメ養殖体験学習(4年生)

  海に囲まれた大島は養殖業が基幹産業であり,その中でもワカメ,カキ,ホタテの養殖業が盛んである。4年生は,ワカメの種ばさみから,生態調査,収穫体験を通して,大島の海の豊かさを実感するとともに,生産者の話からおいしいワカメを作るために多くの工夫があることに気付いた。

  また,4年生は天然記念物に指定されている十八鳴浜の鳴り砂についても調べ活動を行い,海の豊かさについて考えを深めてきた。

③ カキ養殖体験学習(5年生)

  5年生は,カキ養殖の歴史やカキの生態を調べながら,生産者の話を聞いたり,養殖体験を行ったりすることを通して,なぜ大島はカキ養殖に適しているのかについて考えてきた。児童はカキの温湯作業の見学や,カキ剥き体験から,生産者のおいしいカキを作ろうとする工夫や熱意を知るとともに,大島の海に流れ込む川からの養分や日光が,カキの栄養となる植物プランクトンの成長に重要なことを気付き,海と森のつながりについて考えてきた。

④ ホタテ養殖体験学習(6年生)

  6年生はホタテ養殖体験学習を柱に学習を進めてきた。採苗器作りや,筏の上での分散作業などを体験し,多くの時間と手間をかけて養殖業が行われていることを実感した。さらに水産試験場職員や大学教授から,ホタテの生態や,海流の発生原因ともたらす影響等について話を聞き,自分たちの住んでいる大島の海が世界とつながっていることに目を向けることができた。

  4~6年生については,これまでの学習の成果を1月に発表する。

来年度の活動計画

 31年度についても基本となる柱は今年度と同様,3年生はユズ・ソバの栽培,4~6年生はワカメ,カキ,ホタテの養殖活動を柱に,地域の人々との関わりを大切にしながら,大島の自然の豊かさ,海とともに生きる人たちの思いに触れる活動を展開していく。また,5,6年生においては,さらに自分たちの住む場所だけでなく,海を通じて他の地域や国々とつながりを意識させる活動や,より継続的な調査活動を取り入れ,児童の探求心を高めていきたいと考える。