所在地 | 〒563-0122 大阪府豊能郡能勢町上田尻580 |
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電話番号 | 072-737-0666 |
ホームページ | https://nose-br.toyonaka-hs.ed.jp/ |
加盟年 | 2010 |
2024年度活動報告
生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
能勢分校は従来から取り組んできたユネスコスクールのESD活動を継続している。約2年前に「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」の事業特例校の指定を終了したが、これまで培った学習手法や理念を活かし、教育課程の見直しや再編を進めることで、より実践的で、グローバルおよびグローカルな視点を重視した教育を展開している。生徒の成長を支える教育を目指し、日々取り組んでいる。
(1) 系列における特色ある授業や特別講座について
「産業社会と人間」「総合的な探究の時間」に加え、本校独自の「プレ課題探究GS」「課題探究GSⅠ」・「課題探究GSⅡ」といった科目を中心に、各教科と連携しながら授業を進めている。分校の開校時に設立された系列ごとに、対人支援や食農流通、里山起業(地域活性化)について学びつつ、進学を目指して学習に取り組む生徒も、外部講師を招いた講演やワークショップに参加し、アクティブラーニングを実践している。具体例を挙げると、食農流通コースではドローンについて深く学ぶ機会を設けて人材不足が深刻な農業分野への活用について探究した。また里山起業コースにおいては付加価値を付けることによって農村地区の空き家の利活用ができないか探究してきた。
また、「地域魅力化クラブ」を中心に、地域のカフェ取材や交通課題の解決を目指す東京大学との共同プロジェクトなど、能勢の魅力を探求する活動に取り組んでいる。さらにプレゼンテーション講座や発表を行い、地元能勢町と共催で一般公開の連携講座を実施することで、SDGsをテーマにしたグローカルな課題について住民と一緒に学び、考える場を提供した。
(2) 課題探究GSについて
事業特例校の指定終了を機に、校内の課題探究活動を再整理した。3年生の必修科目である課題探究GSを「課題探究GSⅡ」と位置づけ、これまでと同様に能勢町の課題からテーマを設定し、1年間を通じて研究を進めた。その成果は最終的に一般公開され、生徒全員が地域住民に向けて発表や提案を行った。今年度からは3年生の探究活動をさらに深めるため、2年生後期に「課題探究GSⅠ」を履修するカリキュラムを導入。調査方法やテーマ作成、発表の基本を学び、探究活動の基礎を固めた。
また、能勢町の課題やゼロカーボンタウンを目指す町役場の取り組みについて、校内講演や発表会で町職員からの助言を受けるなど、今年度も地域と連携した活動を行った。さらに、地域の生物多様性の保全、小中学校との連携授業、学校生活や福祉の視点での課題研究、農作物や特産品に関する探究など、多様なテーマに取り組み、地域住民の協力を得ながら、本校ならではの町ぐるみの課題探究活動を展開した。
(3) 海外留学生の受入れ等の国際交流について
今年度は台湾、ラトビア、ニュージーランドから合計3名の留学生を受け入れ、またナイジェリアから外国語指導助手を受け入れた。地域住民の日本語ボランティアの方々の協力を得て、留学生の時間割の中に日本語指導の時間を組み込むことで、留学生の日本語能力が向上し、生徒たちとのコミュニケーションがより円滑になった。留学生には、自国に関するプレゼンテーションを行ってもらい、地元小中学校との交流の機会を設けた。
(4)スタディツアーの実施について
フィリピン・アブラ州においてスタディツアーを実施し、本校生徒が5名が参加した。本プログラムは、海外での環境や農業に関する学びを本校の地域課題探究に活かすことを目的とした新たな取組みである。現地では、国立アブラ大学での講義や竹加工施設の見学を通じて持続可能な資源利用を学び、さらにマングローブやナラの植林を行い、環境保全の重要性を体感した。活動の最後には、修了証が授与され、生徒たちは多くの学びと達成感を得る機会となった。この経験を通じて、地域や国際的な課題への意識が一層深まった。
来年度の活動計画
これまでの成果を踏まえ、課題点を改善しつつ、以下の4つの分野で活動を進める。
① 授業・特別講座
プレ課題探究GS、課題探究GSⅠ・Ⅱを中心に、各教科の連携と教科横断型授業の実践に取り組む。また、地域と連携した特色ある講座を継続し、SDGs未来都市に指定された能勢町と協力して、ゼロカーボンタウンやSDGsに関する学習と普及を進める。
② 課題探究と国内実態調査
地域の課題を意識したテーマ設定を行うだけでなく、他府県の事例に触れる機会を作り、それらを町に提案する活動を展開する。
③ 国際交流
留学生との交流を深めつつ、次年度以降に予定されている海外研修の企画を検討する。地域課題を国際的な視点で比較し、異文化体験を通じて多文化理解をさらに深めることを目指す。
④ 地域電力会社との協働
本校の活動が設立のきっかけとなった能勢町地域電力会社と連携し、グローバルな視点を取り入れながら地域活性化を推進する。