• おのみちしりつしげいちゅうがっこう
  • 尾道市立重井中学校

  • Onomichi Municipal Shigei Junior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

所在地 〒722-2102 広島県尾道市因島重井町651-2
電話番号 0845-25-0012
ホームページ http://www.onomichi.ed.jp/shigei-j/
加盟年 2025

2024年度活動報告

活動分野

海洋, 減災・防災, 国際理解, 平和, 人権, その他の関連分野

本校は、「Open the Future with Ambition~志を胸に 自らの可能性を広げ仲間と協働し未来を切り拓く生徒の育成」を学校教育目標として教育活動を展開している。今年度の取組を報告する。

【人権・平和】 5月、1、2年生は社会見学の一環で、福山人権平和資料館を尋ねた。昨年度、公開講座で学んだ福山空襲や、戦争中の生活について展示見学をした。また侵攻によりウクライナの平和な日常を奪われた写真や、子どもたちの描く絵の変容を見ることで、戦争の恐ろしさや平和の大切さを学んだ。学んだことを文化祭で展示し、訪れた方に積極的に声をかけ詳しく説明して、平和について考えてもらうことができた。8月「いわたくんちのおばあちゃん」の著者である岩田美穂様をお迎えして、平和学習を行った。岩田様から、原爆投下前の広島の写真や岩田様のお母さんの家族写真などを見せて頂きながらお話を伺い、原爆(戦争)はあたりまえの平和な日常生活を一瞬にして奪うものであることを学んだ。これらの活動を通して、生徒は平和を守るために、自分は今何をするか主体的に考え、意見交流することで協働して考えを深めることができた。また、学んだことを他の人に伝える表現力が付いた。

【防災について】7月、1年生は、地域の公民館に隣接した「ふれあい防災訓練広場」にある「かまどベンチ」の利用体験を行った。普段はベンチとして設置されているが、災害時には「かまど」として炊き出しを行うもので、自分たちで実際に「かまど」を組み立て、火を起こす体験をした。その手順などを記載したパンフレットを製作し、文化祭では地域の公民館に展示して、訪れた人に配布した。いざというとき地域防災に役立つためにどうしたらよいか見通しを立てる力が付いた。8月、1年生は夏季特別講座において、ワークショップ形式の「防災教室」で「地域で命を守る」ことについて考えた。さらに「キッズ防災士認定講座」では、風水害から命を守るための具体的な行動について考えることで、「自助共助」のために、防災に関して正しい判断をして行動したいという実践意欲を持つことができた。

 

 

 

 

【海のSDGs】8月、福山大学生命工学部海洋生物科学科教授 太田 健吾様をお招きし、公民館にて「瀬戸内海の生態系について」公開講座を行った。戦後の社会復興と高度成長が、急速な沿岸環境の破壊と漁業資源へのダメージを与えたこと、さらに海洋ゴミが海の資源の安心安全を脅かしていることを学んだ。海の資源を守るために、獲る漁業から育てる漁業へと養殖や増殖について学び、仔魚や稚魚を実際に見ることで、天然資源を持続可能なものにする重要性について理解した。生徒は海の資源を守るために自分はどのように行動するか主体的に考える力が付いた。9月、地元のしまなみビーチで、清掃ボランティア活動があった。8月の公開講座で学んだ海の資源の安心安全を守るために、自分から行動を起こそうと、希望する生徒が参加した。海洋ゴミを目の当たりにして、海の資源や安心安全を守る学習を継続しようと考える力が付いた。

【地球環境】11月、文化祭の公開講座を公民館にて行い、デジタル立体地球儀「ダジックアース」を通して、「宇宙から見た地球に思いをはせる」体験をした。小学生及び保護者、小学校教職員、地域の方などの参加を得ながら、生徒は、太陽系のさまざまな天体や地球を立体的に実感することで、地球環境について自分はどう考えるのか、現状を把握する力が付いた。

夏季特別講座と文化祭において、公開講座を公民館と連携することによって、ユネスコスクールとしての取組を地域の方々にも知ってもらう機会とすることができたと考えている。

 

 

 

【国際理解】10月、尾道市のALTの先生を招待し、「English Challenge day」を行った。全校生徒とALTの先生方は、体育館でレクレーションをして、コミュニケーション力を高めた。その後1、2年生は、ALTの先生と一緒に、郷土料理「しょうゆ飯」を調理する活動を行い、昼食時にALTの先生と全校生徒、教職員で共に味わった。3年生は地域(因島)のことを知ってもらおうとお勧めスポットや郷土料理「しょうゆ飯」ほか地元の食べ物などをスライドにまとめ、ALTの先生や1,2年生に英語で紹介した。ALTの先生方からは、アート制作や化学実験、カードゲームなどの活動をして頂き、生徒は自分から英語でコミュニケーションを取り、表現しようとする力が付いた。

【福祉体験学習】12月、社会福祉協議会の方をお招きして、車椅子体験やアイマスク体験を行った。体験することで初めて分かる当事者の気持ちや日常生活の大変さ、また介助方法や介助の必要性を理解し、学んだことをこれからの行動に生かそうとする力が付いた。

 

来年度の活動計画

これまで取り組んできた「防災教育」について、島外の防災広場の見学など地域内と地域外の防災への取組を比較することで、その共通点と相違点を把握する。また、把握した内容をもとに、重井町をさらに災害に強い町とするためには、どのようなことが必要なのかという視点で災害に対する持続可能な町づくりへの参画を強化していく学習を進める。

そして海のSDGsとして進めてきた取組についても、さらに地域資源を活かしたものとなるようにしていく。具体的には、福山大学マリンバイオセンターや地域企業等と連携し、生徒が瀬戸内海の海としての特殊性に対する学習を深める。そして、それらの学習を基に、生徒それぞれが持続可能性の視野に立ちながら、重井町及び瀬戸内海の地域資源を保全・活用していくことのできる方法を考案し、実践していくことを進める。

また「ジェンダー平等」の観点から、持続可能な社会の担い手になるために、必要な力について考える。具体的には、子育て世代や一人暮らしの高齢の方が困っていることを学び、少子高齢化の課題を解決するための糸口を考える。

今後市内のキャンディーデート校である尾道市立瀬戸田中学校と交流していくことや、3月には台湾の新北市立明徳高級中学校とオンラインでの国際交流も予定している。

 

過去の活動報告