2018年度活動報告
本年度の活動内容
世界遺産・地域の文化財等
本校は、「ふるさとから世界へ」を学校理念として、ESDを自らの表現できる力と捉え、ESDの実践を通して自ら考え,判断し,表現力の育成を目標とした。
具体的には、郷土の歴史学習と郷土の芸術文化の保全と創造を柱に、①郷土の歴史に係わる活動、②郷土の芸術文化に係わる活動を行った。
① 郷土の歴史に係わる活動
本校が位置している宮城県白石市小原地区は江戸時代の歴史的建造物や宿場町,街道の名残が見られる地区である。その中でも,上戸沢と呼ばれる集落は,近世,江戸時代を通じ「山中七ヶ宿通」と言われ,奥羽13名の大名が往来した,七ヶ所の宿駅の一つである。このような歴史的背景を知り,歴史的建造物の保全のために,心を込めて清掃活動も行った。
② 芸術文化に係わる活動
白石市内在住の和太鼓パフォーマーを講師として招き,中学校全生徒で和太鼓演奏に取り組んだ。この取り組みは今年度で6年目になる。上級生が下級生に演奏方法を教えながら,日本の伝統的な楽器である和太鼓演奏を通して,一体感を味わうことができた。校内の文化祭や白石市内の音楽祭でも披露しており,迫力のある演奏は高い評価を得ている。また,特筆すべきは,演奏に使う太鼓を小原地区内の各自治会から借りているということである。各自治会で夏祭り等において使われていた太鼓であるが,人口の減少に伴って祭りも行われなくなり,太鼓も使われずにいた。それらの太鼓を活用して生徒たちが一心不乱に演奏する姿は,地域の人々に感動を与えている。
④ 自然環境に係わる活動
本校は学区内に白石川が流れ,近くには仙台圏の水瓶である七ヶ宿ダムがある。学校がある小原地区は学区裏にある雨塚山の沢水を飲料水として利用し,各自治会で形成する水道組合が飲料水の管理をしている。
小学校5・6年生,中学校1年生が取り組む総合「ざいもくいわ」では,小原地区の「水」「森」「土(ゴミ)」を「小原の自然環境3要素」とし,今年度は「水」をテーマに,小原地区の水源池の水質調査や,七ヶ宿ダムから白石川流域の水質調査,浄水場見学等,体験や体感を通して探求や実践を積み重ねる課題探求型の学習を行った。
活動を通して,地域が抱える課題を自分の問題として捉え解決への方策を考えて発信する力や,小原から世界へ目を向け,世界で生じている諸問題の解決に向けて行動しようとする態度の育成へとつなげていきたい。
来年度の活動計画
本校では総合的な学習の時間の一環として年度初めに各学年で学習内容の方向性を決定し,活動を進めている。学習内容を決定する際には,郷土の自然や歴史に基づいた活動になるよう配慮している。また,学期ごとに生徒の活動の様子を評価し,指導方法の工夫改善に努めている。
この活動は本校の生徒にとって最適な活動であることから今後も継続する予定です。