所在地 | 〒988-0822 宮城県気仙沼市切通100 |
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電話番号 | 0226-22-5340 |
ホームページ | http://www.kesennuma.ed.jp/niitsuki-cyuu/ |
加盟年 | 2009 |
2024年度活動報告
海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 福祉, 健康, 食育
本校は「共生社会を主体的に生きて,幸せを広めて歩む人間を育成する」を学校教育目標とし,ユネスコスクールとして,ESDや志教育の理念や観点を踏まえながら,探究的で教科横断的な学習を計画的に展開している。
特に,総合的な学習の時間は,全体テーマを「生き方を考える学習」とし,以下の3つを目標に掲げ,発達段階に応じて各学年におけるテーマを決め,系統的に学習に取り組んだ。
(1) 教科等の枠を越えた横断的・総合的な学習を,創意工夫を生かして展開し,グローバル化や情報化等の社会の変化に主体的に対応できる資質や能力を育成する
(2)「探究的な見方・考え方」を働かせ,教科等の枠を越えた横断的・総合的な学習を行うことを通して,よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する。
(3) 他教科等及び総合的な学習の時間で身に付けた資質・能力を相互に関連付け,学習や生活に生かし,それらが総合的に働くようにする。
1学年では,学年のテーマを「私たちの社会にはどんな良さや課題があるのだろうか」とし,生徒が地域社会の課題を見いだすために,気仙沼の東日本大震災の被害状況や当時の様子について学ぶため,リアス・アーク美術館を訪問した。生徒たちは,研修場所での「東日本大震災の記録と津波の災害史」展示の見学や講話を通して,地域の良さや課題を見いだしていた。それらの学びを生かし,津波や気候変動に伴う災害対策,海のめぐみや海洋環境問題などについて個人で探究課題を設定し,解決に向けて調査活動を実施した。
2学年では,学年テーマを「私たちは地域社会の中でどう生きればよいのだろうか」とし,地域の事業所や企業等に目を向け,職業調べや職業講話等を通して「働く」ということについて考えた。そこで学んだことを生かしながら職場体験学習を実施したことにより,勤労を自分ごととして捉え,自分の将来に目を向けることができた。さらに,立志の会では,保護者の前で将来の夢や目標について発表することを通して,志を高く持つことができた。
3学年では,学年テーマを「持続可能な未来をつくるために,私たちができること」とし,持続可能な社会の構築のために向き合うべき課題(海洋,防災,自然環境,産業,健康と福祉,観光とまちづくり等)を生徒が見いだし,それをテーマとして個人探究を進めた。聞き取り調査やアンケート集計,現地調査,文献研究等での情報収集,比較,分類,関連付けにより課題解決を図った。さらに,総合的な学習発表会を実施し,その成果を保護者や後輩に発表した。
来年度の活動計画
今年度,生徒が「個別最適な学び」の成果を「協働的な学び」に生かしたり「協働的な学び」で得たことを「個別最適な学び」で深めたりするための意見交流の場として,以前から取り組んできたサークルタイム(テーマを設定し,全校生徒を縦割りで10班に分けて話合い活動を行う時間)を活用した。来年度は,サークルタイムをより有効に活用し,意見交流の内容を一層深めさせるために,テーマや探究課題が近い生徒同士で意図的に班編成を行い,「ゼミ」形式で他者との協働を促していく。
総合的な学習の時間では,地域をベースとして,他者や地域社会,自然との関わりの中から課題を設定して,主体的に調査活動や体験活動を行っていくために,地域研修やフィールドワーク等を積極的に実施する。その活動を通じて,他者との協力を促し,人とのコミュニケーションによる気付きがあることを実感させ,手法を広げていけるようにする。そのために,それぞれのテーマに関する地域人材の有効活用を図りたい。さらに,探究のサイクルを複数回行いながら,スパイラルアップを目指すために,実践(インタビュー,実験,製作など)を早めに行わせる。実践とその振り返りまで全ての生徒が行えるよう,見通しを持って取り組ませるために,スモールステップで時間設定するなど,単元計画を工夫する。また,クロスカリキュラムとして,総合的な学習の時間だけでなく,各教科の授業でも一層探究的な学びを意識していく。