2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 食育, その他の関連分野

本園は「身近な環境との関わりの中で、主体的に活動し、創造性豊かな子どもを育成する」を目標として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、様々な身近にある環境に目を向け、自ら関わって自分たちにできることを考え、行動できる子どもの育成を目指し、継続して取り組んでいる。

① 栽培・食育の取組
年間を通じて地域の方に野菜の植え方や育て方を教わった。収穫した野菜は、家庭に持ち帰り、家庭で味わってもらった。「お父さんももっと食べたいって言ってたよ」等の感想も聞かれ、自分たちで苗や種から育てたことで、興味や関心を持ち、より一層食への関心が高まると共に、食べ物を大切にしようとする心も育まれたように思われる。また、サツマイモは収穫した後、地域の方に手伝っていただき、やきいもパーティーを行った。近隣の中学校からもサツマイモを頂き、子ども達が芋を洗い、アルミホイルに包むなど準備等も楽しみながら行った。
大根を収穫した際には、給食のスープに入れて調理してもらうことを子ども達が考え、それが実現できた。子どもが家庭でもその話をし、また大根スープのレシピを掲示して保護者へ啓発することで、保護者も興味関心をもち、その取り組みに共感される姿が見られた。

② 自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む取組
本園は、地域に平城宮跡、薬師寺、唐招提寺と3つの世界遺産があり、歴史的由緒ある地域に立地している。唐招提寺での園外保育では、事前にその場所に関する絵本を見る等の環境づくりを行った。当日は境内で絵本に登場する『隅鬼』を探したり、お寺の方から仏様の話を聞かせていただいたりして、子どもたちが興味関心をもったことを、お寺の方に積極的に質問する姿がみられた。また、地域の方に付き添って安全を見守っていただき、より地域の方と触れあい、親しみを感じる機会となった。

③ 奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組
冬場、餌が少なくなる奈良公園の鹿のために、ドングリを集め届ける取組を行った。平城宮跡の園外保育では、地域の方からドングリがたくさん落ちている場所を事前に教えてもらい、一緒に拾いに行った。家庭から持ってきたり、地域の方が集めたものを園に届けてくださったり、また、近隣の園から子ども達の集めたドングリを預かったりして、たくさんのドングリを5歳児が鹿愛護会に届けた。鹿園では愛護会の方から、ケガをした鹿のことや鹿についての話等を聞かせていただき、奈良の鹿をより身近に感じ、大切に守っていきたいという子どもたちの気持ちにつながった。この取組により、いろいろな人とのつながりが広がっていった。

④ 園庭に芝生を植え、自分達で遊ぶ環境を創る取組
今年は3年ぶりに園庭にある丘に、地域の方と一緒に、芝生を植えた。芝生を植える前に、雑草を取り除いたり、土を耕したり、肥料を入れたりと準備から行い、地域の方と一緒に芝生を並べ、植え付けを行った。「虫取りしたいな」「ごろごろ転がって遊びたいな」など、芝生が育ってくるのを楽しみに水やりをした。夏頃には、芝生が青々と生長し、秋には虫取りや寝転がって遊ぶなど、体いっぱいに感じながら遊び、自分達で遊ぶ場を創っていくという経験をすることができた。

来年度の活動計画

引き続き次年度も、子ども自身が自分たちで、何ができ、どのようにするのかを考えられるように支援し取組を行っていく。自ら関わり遊ぶ中で、身の回りの自然環境・世界遺産等に愛着をもち大切にしようとする気持ちを育てていきたい。またESDの視点にたち、園・地域・家庭が連携して子どもたちの心が動き学びを深める活動を継続していきたいと考える。