2023年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

「命について考える」
□活動の特色について
学校の教育目標の具現に向け、「一人一人が宝物」活動(清見小人権宣言「一人一人が宝物」)、地域と共に「人権タウンミーティング」などの取り組みを続けることや、清見地域の豊かな教育資源(自然・歴史・文化・産業等)と外部講師の方を活用し、「ふるさとを愛し、一人一人が輝く清見の子」をテーマに学習を進めることなどを通して、地域・家庭・学校が一体となって教育に取り組んでいる。
□活動内容・児童の変容について
- 一人一人の可能性と多様性を尊重する活動を通した人権教育の推進
清見町は、平成28年度に文部科学省より「人権教育総合推進地域事業」の指定を受け、「清見町人権尊重のまち宣言」を行った(H30,11,1)。令和5年度は、岐阜県地方法務局より人権推進校の指定を受け、命の大切さを学ぶ「人権の花運動」や障がいのある方への偏見や差別をなくすための「車椅子バスケットボール体験教室」などを行った。校内では、清見小人権宣言「一人一人が宝物」の具現を目指す児童会活動を工夫したり、地域と共に「人権タウンミーティング」の取り組みを行ったりするなど、地域・学校が協働して人権教育に取り組んでいる。
・人権タウンミーティング
毎年秋に、人権教育に関わる講演会を行っている。講演会に引き続き、小中学生(小学校は5・6年生)と地域の方(学校運営協議会の方々やお世話になっている方々)とでグループ交流を行い、人権について考えを深める場を設定している。
※今年度は、近隣の助産師さんを講師としてお招きし、ご講話をいただいた。
・保小中合同による礼儀作法
年に2回、日本舞踊家を講師に招き、「相手を敬う心」「日本の伝統文化から人権を考える」をテーマに礼儀作法について学んでいる。日々何気なく行っている挨拶などの作法の意味を学ぶことなどを通して、人権について考えた。
・全校道徳
6年生が中心となり、全校で話し合いたいテーマを出し合うなどして道徳の授業を考えた。全校の1年生から6年生で縦割りグループを編成し、自分たちの考えを交流した。様々な立場の考えを聞くことにより、多様な見方や考え方を知り、人権についての理解を広げたり、深めたりした。今年度は、「みんなが自分らしく生きる」をテーマに互いの意見を聞き合い、自分の考えを深め、学び合う姿が見られた。
・一人一人が宝物活動
清見小学校人権宣言「一人一人が宝物」を基に対話や評価活動を行っている。
「真に強い子カード(なりたい自分、実現に向けた過程の可視化)」に対し、仲間からの温かい励ましや一人一人のよさを認める言葉をカードに記し、校内に掲示する活動を行った。
- 育てたい資質・能力を明確にした「郷土教育」
清見町は恵まれた自然であふれている。それらの地域資源について外部講師(清見ドリーマー)から体験学習を通して学ぶことができるよう学年ごとに計画的に位置づけている。また、地域への誇りを高め、生まれ育った清見町への貢献意識を育てることを目指している。
・3年生:わたしたちのまち清見探検隊
チョウの専門家や森林インストラクターを講師に招き、実際に見たり触れたり、体
験する学習などをおこない、清見の自然について学習したよさを発信した。生まれ育った故郷への誇りと貢献意識を高めることにつながっていることを実感している。
・4年生:わたしたちと共に暮らす人々
高山市福祉協議会清見支部と連携し、車いす体験や高齢の方と一緒に楽しめるマー
ジャン、盲導犬とのふれあい体験などの活動を通して誰もが幸せな暮らしを目指し
た町づくりに対する願いや考えを深めた。
・5年生:わたしたちと地域の自然
地元企業の方に指導を受け、田植え・案山子づくり・稲刈り・脱穀の作業を体験した。また、米作り研究の専門家や地域の高校の先生や生徒など、多くの方との交流を通して、ふるさとの自然の豊かさを実感する姿が見られた。
・6年生:わたしたちと清見の未来
ひだ清見観光協会の協力のもと、伝統の「清見ちびっこ太鼓」の歴史を知る地域の
方を講師として招き、練習に取り組んだ。「郷土を大切にする子どもを育てたい」という地域の願いを知り、伝統を受け継ぎ、次に伝えていくことの大切さを感じ取り、練習の成果を力強い太鼓の演奏に表そうとする姿が見られた。
学校生活全体を通して児童は落ち着いて生活している。また、授業だけでなく、家庭に帰ってからも計画を立てて学習に取り組むなど、自ら学びに向かおうとする姿勢がある。人権教育や郷土教育、教科指導等を通して、育てたい資質・能力である「自ら学び、対話を通して問題解決する力」が具現されつつある。
来年度の活動計画
次年度も、これまでの実践をもとに、人権教育を核とした取り組みを推進していく。
■全教育活動を通した人権教育の推進
・どの子にも確かな学力を身に付けるための学びを保障すること。これこそが大切な
人権教育であるという考えに基づき、「できた」「分かった」を大切にし、楽しい
授業づくりに一層取り組む。
・「真に強い子」を目指し、そのために必要な資質・能力を、学校・家庭・地域が共
通理解を図って取り組みを進める。また、「清見小人権宣言」の取り組みをさらに
工夫していく。
・人権活動を通して、他校との交流を積極的に進めていきたい。