所在地 | 〒988-0073 宮城県気仙沼市笹が陣4-1 |
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電話番号 | 0226-22-6989 |
ホームページ | http://www.kesennuma.ed.jp/kesennuma-cyuu/ |
加盟年 | 2008 |
2024年度活動報告
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク, ジオパーク, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野
1 ESD/ユネスコスクールを通じて育まれてきた(更に育みたい)資質・能力
総合的な学習の時間を中心に,探究的な見方・考え方を働かせ,「地域の人,もの,こと」に関わる学習を通して,目的や根拠を明らかにしながら課題を解決し,自己の生き方を考えることができるようにするために,以下の資質・能力の育成を目指した。
(1) 「地域の人,もの,こと」に関わる探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付けるとともに,地域の特徴やよさを知り,それらが人々の努力や工夫によって支えられていることに気付く。
(2) 「地域の人,もの,こと」の中から問いを見出し,その解決に向けて仮説を立て,調査して得た情報を基に考える力を身に付けるとともに,考えたことを,根拠を明らかにしてまとめ,表現する力を身に付ける。
(3) 「地域の人,もの,こと」についての探究的な学習に主体的・協働的に取り組むととも に,互いのよさを生かしながら,持続可能な社会を実現するための行動の仕方を考え,自ら社会に参画しようとする態度を育てる。
2 本年度のESD/ユネスコスクールとしての実践について
(1) 学校全体で組織的かつ継続的にESDに取り組んできた体制づくり
年度当初の校内研修で総合的な学習の時間の全体計画の目的と内容を共通理解し,組織としてESD(含むSDGs)に取り組める体制づくりに努め,教務主任と総合的な学習の時間担当,各学年主任が連携し,運営委員会等で共通理解と方向性を確認しながら進めた。
さらに,教室,廊下掲示や授業内容をSDGsと関連させSDGsの浸透を図り,教員,生徒ともにESDがより充実するよう工夫した。
(2) 教科横断的かつ課題探究型の学習過程を重視した教育課程の編成と実践
各教科におけるICT機器の活用を通して,個人探究に必要な情報収集や思考ツールなどについての技術を習得した。これにより総合的な学習の時間のまとめなどで,生徒が個人の目的に応じてロイロノートやGoogleの各アプリなどを選択して活用できることを目指した。
また,各教科で学習内容とSDGsを関連させることで,普段の生活と接点を意識し学習に取り組めるよう工夫した。
(3) 持続可能な社会のための開かれた地域・国内外でのローカル・グローバルネットワークづくり
① 1年生は,「自分の暮らす地域を深める」を学年テーマとし,探究活動を行った。探究活動の一環として,気仙沼中学区と旧条南中学校学区周辺の2カ所をフィールドワークで探索し,地域の自然や町並み,人から多くの情報をインプットすることができた。実施に当たっては,気仙沼中央公民館の地域学校協働活動を活用し,観光協会や自治会,商工会議所など地域の方を案内役として派遣していただいた。実際に歩いて学ぶだけでなく,条南商店街の方より講話もしていただき,地域について深く知る機会となった。
② 2年生は,「自分の働きがい,生きがいを探る」を学年テーマとし,探究活動を行った。探究活動に関連させた職場体験では,市内各所の事業所の協力を得て実施することができた。実際に事業所の方に対応していただき,生徒は依頼,体験,御礼の一連の流れを体験することができた。また,職場体験後のフィールドワークで,個人テーマに関連した事業所(子供支援センター,飲食店等)を訪問し,探究活動を深めた生徒もいた。また,2学年では,フィールドワークと同日に5名の方に来校していただき,職業についての講話をいただいた。それぞれの課題解決に向けて大きなヒントを得させることができた。
③ 3年生は,「自分と世界との関わりを究める」を学年テーマとし,探究活動を行った。探究コーディネーターの協力も得ながら,自分の興味・関心に沿った幅広いテーマ設定を行わせることができた。フィールドワークで,市役所,気仙沼観光センター,子育て支援センター等を訪問し,インタビュー等を通して,課題解決を行った生徒も多くいた。
3 本年度の成果と発信
・ 各学年で目的を持って探究学習が深まるように計画を進めることができた。1年生では,学区内の自然や文化,歴史をインプットし,その上で,2年生の職場体験で社会と接することで,生き方について考えを深めることができた。さらに,3年生では自分自身との関わりで個人テーマを設定し,解決に向け多面的に解決策を考えさせることができた。
・ 12月には,全学年において,授業参観でまとめを発表し,保護者がESDやユネスコスクールについて理解するきっかけを作ることができた。
・ 探究コーディネーターの協力や地域学校協働活動の活用で,地域のつながりだけでなく,より生徒の興味・関心に応じた課題解決を図ることができた。
・ 市で行っている「プロジェクト探究部」に参加した生徒もおり,相乗効果で,総合的な学習の時間の取組に探究的な視点の広がりや理解の深まりなどが見られる生徒が増えてきた。
・ 3年生では,個人探究に挑戦させた,自己の生活向上のための身近なテーマから,地域の活性化,海洋問題やフードロスといった社会問題について等幅広い探究テーマの設定があり,主体的に課題解決をしようとする生徒が多くいた。
来年度の活動計画
本校は気仙沼市の中心部に位置しており,市役所をはじめとした公共施設や市外からの観光客をターゲットにした宿泊施設やスポットが多く存在する。また,学区内には地域の基幹産業である漁業を中心に発展してきた第2次産業の事業所が多くあり,地域の歴史や産業について深く学ぶことができる環境にある。そのような地の利を生かし,1年生から3年生まで地域の様々な企業や団体と連携,協働を図りながら探究学習を積み重ね,探究的な視点,技能などを広く身に付けさせたいと考えている。
次年度は,全学年縦割りで,コース別の探究学習を計画している。今年度,3年生の探究学習で得た成果と課題を踏まえ,世の中や地域の課題と生徒個人の興味・関心を掛け合わせた個人探究の実施に向け準備を進めている。