所在地 | 〒399-1403 長野県飯田市上村838 |
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電話番号 | 0260-36-2141 |
ホームページ | https://kamimura-es.iidacity-educationboard.com |
加盟年 | - |
2024年度活動報告
減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, エコパーク, ジオパーク
◇K(かみっこ)G(グリーン)C(クラブ)キャンプ(全校)
「ジオパーク・エコパークに指定されている上村の美しく豊かな自然に親しもう」「地域の方やベタニアホームの方との交流を深めるとともに、自分たちができることについて考え行動しよう」「この活動を通して感じた上村のよさを1人でも多くの人たちに知ってもらうために、他地域に発信していこう」の3つを願って、今年も7月27日(土)にキャンプを行いました。日頃からオンラインで交流している、東京都にある母子支援施設の児童の皆さんと実際に会って、一緒に過ごすことができる大切な時間でもありました。主な内容は次の3つです。
① 流しそうめん-近所にある竹を切ってきて、器づくりやそうめんを流すためのコースづくりをしました。つかまえて食べるそうめんは本当においしかったです。
② 川遊び-上村地域を流れる上村川で遊びました。「6年くらい上村に通っているけれど、きれいな自然はずっと変わっていないと思います。みんながあまりゴミを捨てなかったり、森を汚すようなことをしていなかったりするからだと思います。これからも続いていってほしいです。」「上村の自然だからこそ、このような体験ができました」「川の流れに逆らって泳ぐのは楽しかったです。」
③ カレーづくり-自分たちで火をおこして、七輪を使ってご飯を炊いたり、カレーを作ったりしました。
キャンプは天候に左右される活動です。大自然に恵まれている上村は、この自然を活かしたダイナミックな活動もできますが、それと同時に、川の増水や土砂崩れによる災害と隣り合わせでもあります。キャンプを通して上村のよさを再確認するだけでなく、自然の怖さについても考えていくことを次の課題にしていきたいと思いました。
また、このキャンプは、上村公民館が中心となって行われました。そして、地域の方・PTA保護者・学校職員みんなで相談を重ねて実施しました。大勢の方々の支えがあったからこそ成功したキャンプでした。

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◇霜月祭を知ろう(3・4年生)
【霜月祭について】
「遠山の霜月祭りは湯立神楽の古い形態を今も伝承しています。年も押し迫った十二月、谷の各所からは神楽歌が聞こえてきます。国の重要無形民俗文化財に指定されている遠山の霜月祭りは、上村・南信濃の各神社で湯立神楽が奉納されます。社殿の中央に設えた釜の上には神座が飾られ、湯を煮えたぎらせて神々に捧げます。祭りのクライマックスを迎えると天狗などの面が登場し、煮えたぎる湯を素手ではねかけます。ふりかけられた禊ぎの湯によって、一年の邪悪を払い新しい魂をもらい新たな年を迎えます。」(遠山郷観光協会HPから)
上村地域に住んでいる児童の多くは、毎年、霜月祭に参加しています。この祭りが地域に深く根ざしていて、まさに生活の一部となっているのです。一方で、初めて霜月祭を知る児童もいます。それは、飯田市の小規模特認校である本校には、地域外からも多くの児童が通学してくるからです。そこで、3・4年生は、霜月祭について知る学習活動を行いました。
①霜月祭が昔から続いてきていることを知る-遠山郷地域では、平安や鎌倉の時代から霜月祭が引き継がれてきていることを調べました。
②霜月祭の由来を知る-11月29日、上町正八幡宮の宮司、宇佐美さんから霜月祭の由来や意味を聞きました。
③霜月祭の神楽を知る-日頃、触ることができない神社の太鼓に特別に触らせてもらい、上村青年会議の山口さんが奏でる横笛に合わせてセッションを楽しみました。
④横笛を知る-11月26日、12月3日には、山口さんに横笛の吹き方を教えていただきました。
このように霜月祭について詳しく知ったことで、霜月祭に興味をもち、見たり参加したりする子どもが、今まで以上に多くいました。
◇お茶染めを上村の文化にしよう(1・2年生)
本校では、農業指導の地域ボランティアである岡井さんのご指導で、しいたけや下栗芋、そばなど、いろいろな農作物を栽培してきました。隔年で茶摘みの体験もしています。遠山郷には昔から茶畑がありますが、最近では休耕田も目立っています。1・2年生の子どもたちは、「刈ったお茶を捨ててしまうのなら、このお茶を使って染め物ができないのかなあ。」と考えました。そして、岡井さんから必要がなくなったお茶の葉をもらい、上村でお茶染めを教えてくれる人がいないか公民館に相談しました。けれども、残念ながら、上村ではお茶染めが行われてこなかったことが分かりました。
そこで、お茶染めについて調べると、静岡でお茶染めをしている「駿府の工房 匠宿」(※注1)の鷲巣さんとつながることができました。静岡から鷲巣さんをお呼びして、9月27日(金)に和田小の1・2年生と一緒にお茶染め体験をしました。そのとき、鷲巣さんがわざわざ来てくださったのは、「お茶染めを広めたい。その地域の文化にしたい。」という思いがあるからだということをお聞きしました。その後、自分たちでもお茶染めをした子どもたちは、「お茶染めをいろいろな人に知ってもらいたい。」とか、「お茶染めを上村の文化にするために伝えていきたい。」という願いを持ちました。
子どもたちは、自分たちがつくってきたお茶染めの作品をPRする新聞や動画を作りました。そして、新聞を地域や市役所に貼ってもらい、動画を三校絆交流会で発表しました。さらに、その発展活動として市役所に出かけ、飯田市長の定例記者会見に同席してお茶染めを紹介することができました。(※注2)
※注1 【江戸時代には旧安倍川の川筋に沿って多くの紺屋が繁盛したといわれる静岡市。古くから型染や手描きの紋染が行われ、この地に根付く「駿河和染」。その技術を踏襲しつつ新たな価値と文化創出を目指しています。】(「匠宿」HPより)
※注2 飯田市HP> 市長の部屋 > 飯田市記者会見_2024年> 12月20日 12月第2回定例記者会見

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◇保育園のウッドデッキを引き継いで(5・6年生)
今年度の5・6年生は「全校のみんなと地域の皆さんに喜んでほしい」という思いをもってきました。そして、いろいろな活動に取り組みました。
昨年1月、今年度の児童会長を決めるとき、「学校に楽しめる場所を増やし、全校のみんなに喜んでほしい。」と訴えた子がいました。その子の願いが児童会活動や総合的な学習の時間に形となり、次のような活動が生まれました。
保育園にあったウッドデッキ。このデッキを保育園から撤去しなければならなくなりました。その話が「どんぐり隊」(上村まちづくり委員会所属)から入ってきたのです。これを聞いた子どもたちは、「自分たちも保育園のときに遊んだウッドデッキがなくなるのはもったいない。小学校の校庭に動かそう。」という願いをもちました。そして、どんぐり隊の皆さんと一緒にウッドデッキの移動を計画し、卒業式までには終了させる計画を立て、ただ今活動中です。
◇三校絆交流会【遠山郷三校(遠山中・和田小・上村小)と一緒に】
5月17日(金)に今年度の各校のESDの活動計画発表会、11月30日(土)にはESD成果発表会をしました。三校の児童生徒が活動を共有してきた中で、このような会を通して、ユネスコスクールとしての自分たちの役割をふり返りました。そして、ESDの活動について地域や保護者の皆さんにも知ってもらいました。
絆交流会では、地域の皆さんも入って、レクリエーションを一緒に楽しみましました。成果発表会のレクリエーションでは「じゃんけん列車」を2回戦しましたが、最後まで勝ち残ったのは2回とも大人でした。「子どもたちには負けられない!」と楽しそうでした(#^.^#)。
遠山中学校の発表は「霜月祭のPR」と「地域に名物食材を~おにじん(ジンギスカン入りおにぎり)の開発~」、和田小は「お茶との関わりを見直そう」などの発表をしました。発表を見合った子どもたちは、これからの自分たちの活動につながるヒントをもらうことができました。
第2回の交流会の終了後には、上村・南信濃地区主催の「遠山郷フォーラム」が行われました。今年度のテーマは「遠山郷の学園づくりを語り合おう!」でした。子どもたちの発表を聞いた後、この子たちの未来に思いをはせ、地域づくりについて話し合ったことは、大変意義深いことだと思います。
◇国際デーを考える
○9月21日国際平和デーでは、新聞記事と戦争の絵本を扱い、自分ができる国際平和について考えました。
○1月24日教育の国際デーに向けて「世界寺子屋運動 書き損じはがきキャンペーン」に取り組みました。
来年度の活動計画
〇この地域の「霜月祭」に寄せる地域の思いがあるように、他地域にも世界の文化遺産や地域の文化財を守ってきている人たちの思いがあることを知る。
〇地域や保護者と共に行うキャンプを通して、南アルプスユネスコエコパーク・ジオパークについて学ぶ。
〇上村特産の「下栗芋」栽培や椎茸栽培等を学ぶ中で、地域の方の願いや思いを知る。
〇多くある記念日のことを知り、自分たちの活動と記念日をつなげていく。
〇世界寺子屋運動「書き損じハガキ回収キャンペーン」に参加する。
〇飯田市遠山郷三校(遠山中・和田小・上村小)でこの地域のよさと課題を考え、何ができるかを共有する。
〇東京都墨田区にある母子生活支援施設「べタニアホーム」と交流する。
〇来年度から飯田市遠山郷三校が「遠山郷学園」として活動に取り組む。ユネスコについての学びを深め、他のユネスコスクールとつながる活動を展開したい。