2022年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 持続可能な生産と消費
本校は昨年度から「地域を理解し、地域社会の未来に寄与する人材」を育成するために「自分の意見や考えを話し伝える力」を養うことをスクール・ポリシーに据え、主として3年生の選択科目「上士幌学」でSDGsの目標を意識した授業に取り組んでいる。
「上士幌学」では「異文化学習及び文化の多様性と文化遺産」を踏まえ、アイヌ民族についての学習を取り入れた。地域を理解する取り組み、町の開拓史やふるさと納税について学び、その後かつて町の主産業であった林業について十勝振興局の方を招いて概要を学習し、植栽を通して後継者問題などを体験的に学んだ。また、町内では「6次産業」に力を入れている企業があり、お店を訪問して経営者の理念を聞き、調理を行って地元食材の魅力を発見した。十勝石については、学芸員を招いて学習及び採集を行い、基幹産業である農業については作物の生育調査を通して気候と収量の関係を考察した。
今年度からの取り組みとしては、高大連携事業として大阪阪南大学及び帯広畜産大学にご協力をいただき、防風林に生息する野生動物の生態調査を通して自然環境への理解を深めた。また上士幌町は2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す【北海道上士幌町ゼロカーボンシティ宣言】を表明しており、町役場を訪問し「ゼロカーボン」への先進的な取り組みについて学習し、考察した。学習のまとめとして、講師の方々や町内教育関係者を招き、それまで学んだことがSDGsとどのような関係にあるのかスライドショーで発表した。これは「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」を意識した取り組みである。
2学年では「地球市民および平和と非暴力の文化」について平和学習を展開した。見学旅行で広島を訪問する事前学習として核兵器について学び、事後学習では、2度と核兵器が使用されない世界を実現するために、唯一の被爆国としてさまざまな角度から考察を行った。
来年度の活動計画
1 3年生選択科目「上士幌学」について
「上士幌学」では、より探究的な活動を取り入れ、町の魅力を知るとともに、学びを深めながら発信する力を育みたい。
2 SDGsと日常とのつながり
2年生では見学旅行に向けた核兵器の学習を通して、混沌とする現在の世界情勢において、平和な世界を維持するにはどのようなことが必要なのかを考察を深めさせたい。
3 外部との積極的な接触を促す
学習に自信のない生徒が多数いる状況は変わらないが、事務局が提供する講座や交流事業への参加を促していきたい。