2023年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
本校は、グローバルな舞台で社会に貢献するために、深く思考し、行動できる生徒を育てることを教育目標としている。
本活動の目的は、学ぶことの意義を社会と自己との関わりの中で認識させる活動を通して、他者と協働して課題解決や改善につながる合意を形成する知識・スキルを身に付け、相手の価値観を尊重する態度を養うとともに、世界に貢献する志を抱いてウエルビーングを実現していくために勇気・覚悟・自信をもってリーダーシップが取れるようになることを目指すことである。また、この活動を通して他者と共に一つの問題に取り組み、解決や改善につながる合意を形成するためのスキルを身に付け、客観的にテーマを分析し、仮説を立てて検証するといった科学的な思考と手法を身に付けることを目的としている。
【総合的な探究の時間について】
本校では、第1学年で1単位、第2学年で2単位の探究活動を行っている。
第1学年の前半期では、自己と向き合うことから始めて社会に目を向け、SDGsと自己とのつながりを認識する。後半期に「デザイン思考」の手法について学ぶ。
第2学年では、「デザイン思考」を用いて、身近な「なぜ?」「なんとかしたい」から課題を見出し、実際にその解決策をデザインしていく。今年度も大学、企業から指導助言、評価を頂く多くの機会を得た。例えば、「広島における漂着ゴミ」の研究をして「ひがしひろしま環境フェア」で発表し、たくさんの企業から支援の申し出を頂いたり、自分達の発表をもとに、地域に向けてパンフレットとして環境問題について投げかけるなど、生徒たちは探究活動を通してSDGsに積極的に取り組む手応えを感じつつある。
また、本校は、これまでユネスコスクールとしてESDに力を注ぐとともに、姉妹校との交流を積極的に行ってきた。この礎のもと、自分たちの探究活動を自校で閉じることなく、今年度も、広島大学草原和博教授の指導のもと、姉妹校の一つであるハワイのアイエア高校に赴いて平和や環境問題などについて協議した。特に、平和については、アメリカの価値観、歴史観と本校のそれとの違いを身をもって知り、そうした中での合意形成をどのように図るか、平和を目指して日米の高校生が手を取り合ってできることは何か、ということについて考え、動き出す礎を築くことができた。2月には昨年に引き続き、同校とのオンライン交流会を開催する。
2024年には、「平和」「環境」についての探究活動の軸を広げ、日米共通の歴史パンフレット編纂の完成を目指すとともに、同じく姉妹校のエリザベスカレッジや他国の高校生、留学生を募ってユースサミットを実現させる。その主催者として、本校生徒が企画運営を務めることを目指す。
【国際交流について】
例年の計画
6月 姉妹校アイエア高校の本校への受け入れ
7月 姉妹校エリザベスカレッジの本校への受け入れ。
10月 修学旅行でアイエア高校に訪問。探究についての意見交換会
12月 アイエア高校訪問。授業や課外活動を体験。
3月 エリザベスカレッジ訪問
※2023年度は、姉妹校受け入れやハワイの修学旅行、3月のアイエア高校訪問の代わりに、1月に代表生徒がハワイに渡航し、アイエア高校と交流した・
【姉妹校交流やグローバルスタディズプログラムの活用について】
7月 グローバルスタディズプログラムの実施、
中期以降 グローバルスタディズプログラム参加者によるリーダーシップ
姉妹校とのペンパルアクティビィティ
2月 姉妹校ハワイアイエア高校とのオンライン交流会
このほか、現在、短期留学を開拓中である。
来年度の活動計画
【第1学年】視野を広げ、社会の諸課題に目を向け、自分が関わることができる課題を設定し、解決しようとする力を養う。
1 ガイダンス(4月)
2 自己と向き合う(5月)
(1)「Who are you?」
(2)これまでの自分・10年後の自分
3 社会とのかかわり(6~7月)
(1)SDGsと身近なこととのつながりについての探索
(2)現代社会とどのように向き合っていくか
4 グローバルスタディトプログラム参加(7月 希望者)
5 論理的・批判的思考(9月)
(1)ものの見方考え方
(2)ディベート
6「デザイン思考」にTRY!
(10~2月)
(1)デザイン思考とは
(2)例題演習
(3)トピックを決める
(4)「共感」→「問題定義」→「アイデア」の体験
※フレームワークによる
「デザイン思考」の体験
(5)クラス内発表
7 今年度のまとめ(2月~3月)
8 2学年研究発表会視聴(2月)
【第2学年】テーマへの視野を広げ、自分がかかわれる課題を設定して探究し、解決しようとする中で、自己の生き方在り方を考える。
1 アプローチ(4月~5月)
(1)探究のゴール、年間計画について
(2)興味関心のあるトピック。グループ編成、テーマ設定
2 課題設定~解決策の創造
(5月~9月)
(1)~(4)の繰り返しによる構築
(1)「共感」調査、分析
(2)「問題定義」
(3)「アイデア」
(4)「プロトタイプ」作成。専門家・地域・企業などへの問い合わせ
3 姉妹校アイエア高校との修学旅行での意見交換(10月)
4 「テスト」1(10月~11月)ユーザーへの検証。専門家・地域・企業との連携
5 中間発表会(11月)
6 「テスト」2(12月~1月)軌道修正。ユーザーに向けての検証
7 発表(2月)
(1)校内発表会
(2) アイエア高校との意見交換会
8 今年度のまとめ(3月)
これから探究活動を、縦軸としての広い年齢層、横軸としての地域、他校、そして世界(姉妹校、その他の国々)へと広げていく。