• ひろしまだいがくふぞくようちえん(ひがしひろしまえんしゃ)
  • 広島大学附属幼稚園(東広島園舎)

  • Hiroshima University Kindergarten, Higashihiroshima
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 食育

所在地 〒739-0045 広島県東広島市鏡山北333-2
電話番号 082-424-6190
ホームページ https://yochien.hiroshima-u.ac.jp/
加盟年 2017

2024年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

 本園は,「豊かな自然や友達とかかわりながら一人一人がその子らしさを発揮し共に育ちあう生活を通して心豊かにたくましく生きる力を育む」という教育目標のもと,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して,ESDの基本的な考え方15項目とSDGs達成のためのキー・コンピテンシー8項目を日常の保育の中で総合的に育むことを目標として取り組んだ。今年度年長クラスでは①インドカレー屋のインド人の店員との交流②オリ・パラリンピックを通して自国や世界に目を向け,平和を身近に考える経験③園の森の木を使った遊具作りを行った。以下に②の一部を記す。

<事例>

7月下旬,保育者は「せんそうとへいわ」(ブロンズ新社 たにかわしゅんたろう ぶん Noritake え)の絵本を読む。8月,オリンピックをきっかけに幼児は国旗やオリンピック旗に興味をもち五輪の色や配置に着目する。教師は「5つの輪が絡み合って繋がっていることから世界は1つ」というN児の発表を受け「世界は1つだからみんなでオリンピックを楽しむことができるけど,喧嘩はしないの?」と問う。R児が「するよ。ウクライナとか,日本も昔…」と話す。教師は「どうして喧嘩になるん?」と尋ねる。R児は「理由が分からんけぇよ」と言う。するとS児は「理由が分かっても意見が違うからだと思う」と言う。「1つしかない場合とか物を取り合うんよ,この間私たち喧嘩したよね…」「譲れんのんよ!」と次々と意見が出る。教師は「そんな時,みんなはどうしてるん?」と問う。「一緒に考える」「話し合うよ」と意見が出る。翌日から自分の考える平和=幸せ・心地良いを伝える時間をもつ。K児が「友達の家に遊びに行ったり友達が遊びに来てくれたりすること」と言うとL児が「戦争だったら友達と遊べない」と言う。友達の考えに対し,誰かが「戦争の時だったら…」と発言している

 

 

 

<幼児の育ち>

幼児は,絵本から戦争と平和の違いや敵も味方も人としての存在は同じであることを感じ取る。オリ・パラリン   ピックから,国旗に興味を抱いたことで世界にはいろいろな国があることや国同士の関係を知る身近な経験から平和を捉える中で,目の前にいる友達のことだけでなく今ここにはいない人について考える「話し合えばよい」「譲ればよい」で終わらず「譲れない」気持ちをもっていることも伝えている

本実践は、ユネスコスクールが重点的に取り組む「地球市民および平和と非暴力の文化」「異文化学習及び文化の多様性と文化遺産の尊重」の分野において【平和 国際理解 人権 ジェンダー平等 文化多様性 環境 海洋 その他関連分野】【予測的・規範的・方略的・協働・クリティカル・統合された問題解決コンピテンシー】の育ちとその芽生えがあった。これらは、将来持続可能な社会づくりのため,多様な文化を尊重しながら様々な国の人と協働し平和な世界を創っていくユネスコスクールの理念に繋がると考える。

来年度の活動計画

今年度,ユネスコスクールの理念のもと「持続可能な社会の担い手となるための能力・態度を育成すること」を目的とした本園のESDの教育課程の更新に向け,園舎や園庭を中心に幼児が人や事物に主体的にかかわる活動や体験,環境構成を援助も含めて事例検討し,またそれらが,ESDやSDGsとどのように関連しているのかをカンファレンスを通して考えてきた。来年度も事例を積み重ねるとともに,サスティナビリティのためのキー・コンピテンシーにかかわる各年齢の最終目標を挙げ,教育課程の更新を目指す。また,今年度も幼稚園外のさまざまな人と協働する体験から,ESDの基本的な考え方15項目とSDGs達成のためのキー・コンピテンシー8項目に対する育ちやその芽を育むことができた。来年度もこのような機会をもつことを計画している。

過去の活動報告