• ぎふけんりついけだこうとうがっこう
  • 岐阜県立池田高等学校

  • Gifu Prefectural Ikeda High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

所在地 〒503-2495 岐阜県揖斐郡池田町六之井242番地1
電話番号 0585-45-7755
ホームページ https://school.gifu-net.ed.jp/wordpress/ikeda-hs/
加盟年 2015

2024年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

本校は、「Global Welfare(地域・国際社会の中でよりよく生きる)」を学校理念として、主に「福祉教育」「国際理解教育」「環境教育」の3分野の観点から、地域と連携して持続可能な社会の発展に貢献できる人材の育成に努めている。「総合的な探究の時間」を軸に探究的な学びの充実を図り、特に2年次では地元自治体(池田町、神戸町)の協力のもと、地域課題を自分事として捉え解決に向けて探究する『池田de探究』プロジェクトを展開している。本年度は池田町長に町政運営のビジョンを講演していただいたり、各町役場から提示していただいた課題(ミッション)への取組に対しフィードバック会を開催して町職員から意見を伺ったりするなどして、ESDを推し進めている。またこの探究学習の中で特に優れているものは各種コンテストに応募し、昨年度末に「第5回ぎふビジネスアイデア・プレゼンテーション大会」決勝大会高校の部準グランプリや「高校生ビジネスアイデアコンテスト」ファイナリストに選出されるなどの成果を得た。さらに昨年度からオンラインでの県外他校(福島県聖光学院高校)との探究交流も始まり、本年度も1月に実施、相互に良い刺激となった。

なお各教科・科目においても、「SDGsカレンダー(旧称ESDカレンダー)」の作成により、学習内容とSDGsの関連性を意識化している。その他の実践活動を3分野に大別して以下報告する。

(1)福祉教育

本校は単位制普通科であり、学校理念を実現するために、「地域社会福祉」という学校設定科目を設置し、座学以外に、部活動である「ボランティア部」とも連動してボランティア活動を実践している。これらの活動としては、「揖斐川流域クリーン大作戦」、「ちょびっとボランティア」、神戸町バラ公園での地域清掃活動や、「いびがわマラソン」、「揖斐郡駅伝大会」、池田町主催「池田っ子まつり」、サンビレッジ国際医療福祉専門学校文化祭などのイベント運営協力、池田町教育委員会主催夏休み「寺子屋」での学習支援ボランティア、徳山ダムでの環境保全ボランティアなど多様な活動に参加し、地域貢献を通じて福祉や他者支援への理解と態度を培った。なおこうしたボランティアについては広く全校生徒にも呼び掛け、「SDGsパスポート」の活用も奨励している。

また本校は生徒会に「ユネスコ委員」(家庭クラブ委員の拡大版)を組織しており、能登半島地震義援金や赤い羽根共同募金活動のほか、MSリーダーズ(岐阜県独自の高校生による規範意識啓発推進委員)と共同して地域の清掃活動ボランティア活動等を行った。地域清掃活動はホームルーム活動で年次(学年)別にも実施し、全校生徒のボランティア精神の涵養にも努めた。

特別支援学校の生徒との交流や共同学習は3回実施した。第1回は7月に1年次生が音楽の共同授業、第2回は9月に本校文化祭にて、第3回は10月に3年次「生活と福祉」選択者が相手校で作業学習に参加した。第2回ではボランティア部の生徒が作業製品の展示・販売の準備や補助にあたり、第3回では「国際障害者デー」も意識(当初は12月実施予定)し、相手校のコーディネーターから障害者理解について講義も受けることができた。

(2)国際理解教育

この分野では、「エンパワーメントプログラム」の実施と「グローバルイシューワークショップ」への参加がある。「エンパワーメントプログラム」は、国際系分野科目を選択している生徒及び希望者を対象として、朝日大学の留学生別科に所属する各国・地域からの学生との異文化交流事業である。12月に本校生徒23名、朝日大学留学生別科21名が参加、本校生徒がグループ別に日本文化紹介ブースを開き、文化体験を通じて相互理解と友好のきっかけとした。

大垣ユネスコ協会主催の「グローバルイシューワークショップ」に参加したものは2名と少なかったが、テーマ課題に関する英語のディスカッションを通じて、複眼的なものの見方を養うよい機会となった。

その他、外国人技能実習生や本校卒業者で米国現地校の教員が来校の折は、授業で交流を行うこともあった。

(3)環境教育、防災教育

学校設定科目「地域環境保全」では、生物多様性を守る活動や学びを通して持続可能な開発を考える授業を展開している。科学部の活動とも連携し、絶滅危惧IA類に選定されている地元の淡水魚ハリヨの研究と保護活動にも携わっている。岐阜協立大学の森誠一教授による特別講義や生息数調査、地元「ハリヨを守る会」と共同して繫殖地の清掃活動を行ったり、「みの池田ふるさと祭り」など町主催のイベントでブース出店し、河川に住む魚類保護の啓発活動を行ったりした。環境教育の関連として本校には「地球環境防災」という学校設定科目もあり、担当教員は防災士の資格を有している。

防災教育を一層推し進めたのが本年度の特徴の1つである。「JRC未来応援プロジェクト」を活用し、「災害に強い地域社会とは何か、またその為にできることについて考えよう」をテーマに防災教育に取り組んだ。その一環として5月に1年次生全員を対象に野外防災訓練(炊き出し訓練)を実施、日本赤十字社や池田町から講義や支援もしていただいた。「国際防災デー」にあわせて10月には岐阜大学高等研究院地域減災研究センターの村岡治道特任准教授から防災講話やタブレットを用いた災害・避難カード作成指導を行っていただいた。

(4)その他

人権教育の1つとして元FC岐阜社長の恩田聖敬氏を講師に、自らの病への向き合い方を通していかに生きるべきかを学んだ。なお当初12月の「人権デー」に合わせて開催予定であったが、講師の体調を考慮し10月下旬の実施とした。

来年度の活動計画

防災教育について現在、「災害に強い、持続可能な地域社会づくり」 をテーマに公募事業に応募している。非常変災時に調理等に使用できる「かまどベンチ」を外部の助力も得て生徒が校内に製作し、それも使用して野外防災訓練を2・3年次にもできないか計画中である。

地域連携やSDGsを意識した探究的な学びにおいても、県外他校の視察(2月予定)で知見を広げ、課題解決に向けて生徒が自走できるような指導や体制、また外部資源の有効な活用法を引き続き研究・工夫して、実践に繋げていきたい。

このように既に令和7年度に向け具体的に動き始めており、これまでのレガシーを活かして各活動の質を高め、成果を生徒に還元したいと考えている。

過去の活動報告