- ふくやましりつとものうらがくえん
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福山市立鞆の浦学園〔キャンディデート校〕
- Fukuyama Municipal Tomonoura Academy
- 種別義務教育学校または小中/小中高一貫校等, キャンディデート校 地区中国・四国地区
- 主な活動分野海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費
所在地 | 〒720-0202 福山市鞆町後地1240番地1 |
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電話番号 | 084-982-2043 |
ホームページ | http://www.edu.city.fukuyama.hiroshima.jp/gimu-tomo/ |
加盟年 | - |
2024年度活動報告
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
2018年1月~2022年10月:チャレンジ期間、2022年11月~2023年11月:キャンディデート校
本校は、ユネスコスクールの活動を、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて生きた力を育成する活動と捉え、社会のために実践できる行動力を育むことを目指した。具体的には、「課題発見・解決能力」「情報活用能力」「コミュニケーション能力」「郷土愛」の資質能力の育成を柱とした、①持続可能な生産と消費②健康③海洋・環境④地域の文化財に係る学習の実施である。ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野の中でも、特に文化遺産として認定された「鞆の浦」を題材としたことで世界に視野を広げることができた。
①持続可能な生産と消費に係る活動
8年生の1人はSDGs11を意識し、「鞆の町でゆっくりできるベンチをつくる」というテーマで探究を進めた。将来建築士になりたいため、地域の事業所が、庭づくりのデザインを募集していると知り応募した。初めに事業所の方の思いを聞き取りにいき、高齢者の方がゆっくりできるベンチの設計に取り組み、木材を再利用してベンチを製作した。今後は、ベンチを利用した人の感想を聞いて、「ゆっくりベンチ」に合う「のんびりテラス」の製作に取りかかる。
①の写真(完成した「ゆっくりベンチ」)
②健康に係る活動
8年生の1人はSDGs3を意識し、「地域の人々の健康維持」というテーマで探究を進めた。若い人よりも高齢者の方が多い鞆の町を高齢者が元気に過ごすことのできる町にしたいという思いをもち、養護教諭と連携しながら活動を進めた。まずは、地域のグループホームの職員の方や学校医の先生にインタビューやアンケートを行い、口腔ケアに課題があることがわかった。口腔ケアの課題を解決するために、高齢者に歯磨きの大切さを伝えるポスターを作成した。また、歯磨き習慣を定着させるために学園内の児童を対象に歯磨き指導も行った。
②の写真(前期の児童への歯科指導の様子)
③海洋・環境に係る活動
特別支援学級では、SDGs14を意識し、地元の海で失われつつある産業の保全に寄与していきたいとの思いから、「TOMO発信!海洋プロジェクト」を立ち上げ、地元企業に協力を仰ぎながら「わかめラーメン」を完成させ、地元の朝市や観光センターで販売した。児童生徒は試作の段階から関わり、わかめの乾燥や粉末化、パッケージのデザイン考案、販売などを行った。また、1年生でも地域の海に出かけ、砂浜のごみ拾いを行った。ごみ拾いをしている中でイカの卵を見つけたことが、「生き物や自然を守りたい」という思いを一層強めた。拾ったごみから作品をつくり、掲示することで、ごみを捨てる人を減らそうと取り組んだ。
③の写真(イカの卵を見つけた場面)
④地域の文化財に係る活動
9月27日の世界観光デーに合わせ、観光地である鞆の町にたくさんの人に来てもらおうと、日本遺産である「鞆」の魅力を全学年で考えHPから世界に発信した。ポスター作成時には、英語以外にどんな言語が必要だろうと話し合うグループもあり、国際意識を高めることができた。また2年生・3年生では、自分たちが生活している鞆の町をもっとよく知るために町探検に出かけ、まだあまり知らない施設やお寺などにインタビューを行った。もっと多くの人に鞆のことを知ってもらうと「鞆の浦探検すごろく」を作成した。
④の写真(作ったすごろくで遊んでみて、課題を見つける様子)
来年度の活動計画
地域を素材とした課題発見・解決学習を通して、世界に視野を広げ、社会のために実践する力を育むことを目標に、常にカリキュラムを見直し、地域課題の解決や持続可能な開発目標の達成に向けた取組を全学年で進めていく。
探究課題の具体は、以下の通りである。
1年生:鞆の自然
2年生:地域の商店や公共施設の役割・工夫と、そこで働く人々の思いや願い
3年生:史跡などの町の特徴と、そこに携わる人々の思いや願い
4年生:防災に向けた町づくりと取組
5年生:町の産業とそこに関わる人々の思いや願い
6年生:町の魅力発信と町を訪れる人々との関わり
7~9年生:自己探究課題の設定と解決に向けた探究学習
特別支援学級:地域の事業所や漁協との連携による協働・交流学習の実施
また,伝統継承・体験学習に関わる活動計画は、以下の通りである。
1~3年生:伝統文化体験学習(華道、茶道、座禅)
5・6年生:大漁節
7~8年生:和太鼓
全学年:アイヤ節
6月に遊びの国際デーに関する活動を計画している。
いずれの活動も、「プロボノメンバー」である地域の方と連携し、実施する。