所在地 | 〒920-0002 石川県金沢市千木125-1 |
---|---|
電話番号 | 076-258-1270 |
ホームページ | http://cms.kanazawa-city.ed.jp/chisaka-e/ |
加盟年 | 2011 |
2024年度活動報告
生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育
金沢市立千坂小学校の近隣には、地域の特産物であるれんこんの田んぼが広がり、学校園の「あつまれ千坂の森」では昆虫や植物など多様な生き物と触れ合うことができる。平成23年度からユネスコスクールの認定を受け、地域や環境をテーマとし、実践に取り組んでいる。
1.1年生の取り組み「いきものとなかよし」「あきとともだち」
1年生の生活科を主としながら、地域の自然や地域の人とかかわることを通して、それらに関心を深めるとともに校区に対する親しみがもてるようになることをねらいとしている。「いきものとなかよし」の単元では、千坂ネイチャーフィールドへ行き、虫探しをした。バッタやコオロギを見つけたり捕まえたりすることができた。これをきっかけに虫に触れることができるようになったり親しみをもって観察したりする一方、命について考えるきっかけにもなった。また、「あきとともだち」では、校内できれいな落ち葉を探したり、千坂ネイチャーフィールドでたくさんのドングリを拾ったりすることができた。その後、落ち葉やドングリ、まつぼっくりなどを利用して、おもちゃ作りを楽しんだ。ドングリごまやドングリの人形、松ぼっくりけん玉や、落ち葉の模様のこすりだしなどを体験し、秋を体で楽しむことができた。また、学年の友達に向けてお店屋さんを開き、来てくれた友達と積極的にコミュニケーションを取りながら、楽しんで遊ぶ姿が見られた。本単元を通して、児童が地域の自然に関心を深め、それらに親しみや愛着をもてるようになってきた。
2.2年生の取り組み 「まちたんけん ~千坂のすてきをみつけよう~」
生活科では、自分たちの暮らす町の魅力を発見する活動を行った。春には「どきどきわくわくまちたんけん」の一環として「見つけよう!わたしの町のじまん」に取り組んだ。校区にある公園に出かけ、公園の施設や自然等からみんなに知らせたいものを見つけた。そして、探検した公園のおすすめを紹介したり、友だちが公園で気になるものについて質問したりする中で、千坂校区について詳しく知ることができた。秋には、児童館、公民館、自動車学校に見学へ行き、どんな施設なのか、どんな仕事をしているのか等を教えていただいた。公共施設が地域の中でどんな役割を担っているのかや仕事内容だけではなく働く人の気持ちなどについても知ることができた。見学をして、感じたことや疑問に思ったことを施設の方に意欲的に伝える姿が見られた。施設の方から、幅広い年齢層にとって過ごしやすい場作りをしたり、様々な催しを行っていることなどを聞き、地域の施設の大切さを感じることができた。
3.3年生の取り組み 「金沢の和菓子・茶道文化を学ぶ」
金沢の和菓子・茶道文化について栄えた理由を調べたり、体験したりする学習に取り組んだ。2学期には、地域の茶道の先生から、作法やお茶の点て方について教えていただいた。お茶を点てることの難しさ、作法を通して相手を思いやる心などに気づいていた。茶道の歴史についてもお話を聞き、調べ学習で得た学びと結びつけながら学習に取り組むことができた。また、金沢市の和菓子作り職人の方を招き、上生菓子作りを体験した。児童は、職人の技の巧みさや、職人が日頃から努力をしていることに気づくことができた。そして、金沢で伝統的に食べられている和菓子について、由来や食べる時期などについて調べ、今まで深く考えずに食べていた和菓子に意味や願いが込められていると気づき、金沢の和菓子に対する見方が変わった児童が多かった。この学習を通して、職人や地域の人の茶道、和菓子に対する思いを知り、金沢の和菓子・茶道文化への興味関心が高まり、大切にしようとする意識をもつことができた。
4.4年生の取り組み 「ぼくたち地球防衛隊」
社会科学習でごみ処理とその再利用の課題について学んだ後に、ユニクロ・ジーユーの社員から難民の方々の生活について、お話を聞いた。自分たちができることはないかと考え、着られなくなった子供服を集める取り組みを行った。「難民の子どもたちを笑顔にするために、不要になった子ども服を集めよう」というめあてをもち、校内に回収箱を設置した。全クラスへ呼びかけに行ったり、校内にポスターを貼ったりして協力を呼びかけた。また、できるだけ多くの服を集めるために、近くのこども園にも協力を呼びかけに行った。その結果、段ボール箱10箱分の子ども服が集まり、企業を通じて難民の方々に送ることができた。「ぼくたち地球防衛隊」の学習を通して、現在学校で取り組んでいる自分たちの取り組みがエコ活動や誰かを助けることにつながっていくことを実感し、地球環境を守っていくのだという意識を育てることができた。
5.5年生の取り組み 「千坂の宝!加賀レンコン」
地域の特産物であるレンコンについて,地域のレンコン農家の方の協力のもと学習をした。 4月にレンコン農家の方からレンコンについて学ぶ「レンコン学習会」を開いた。その後5月に種植え、6月~10月観察、10月に収穫体験を行った。種植えから、ハスの葉が大きく育つ様子や、茎にも穴が開いていることなどを発見するなど、成長の様子を観察してきた。観察して疑問に思ったことは,作業をしている農家の方にすぐに質問することができ、レンコンについての知識をどんどん増やすことができた。10月の収穫では泥まみれになりながらレンコンを収穫し,簡単に見つけられないことや掘るのに時間がかかることを実感し、レンコン農家の大変さや偉大さを感じていた。レンコンは土の奥深くにあり、最初はなかなか見つからない様子であった。中には、とても大きなレンコンもあり、数人がかりで引っ張って収穫していた。12月にレンコンを使った調理実習、1月にレンコンフェスティバルを行った。レンコンフェスティバルでは地域の方、保護者、職員、在校生を招待し、レンコンについての情報の発信、農家の方が育てたレンコンを実際に売る販売体験を行った。レンコンフェスティバルを通して,地域の宝であるレンコンの魅力を発信することができた。
6.6年生の取り組み 「いいね金沢 魅力発信!!」
自分達の住む金沢についてより詳しく知るために、インターネットや資料集を使って調べるだけではなく、特に魅力を感じた金沢の名所を見学した。見学先では、観光客の方にインタビューをするなどして知りたい情報を集め、金沢の名所について理解を深めた。調べたことについて、Googleスライドにまとめた。これまでも名所や伝統工芸について学習したことはあったが、今回さらに詳しく調べ、調べたことを伝え合うことによって、文化を継承している人の努力や金沢の魅力をさらに知ることができた。全国的にも注目されている金沢だが、「金沢がますます好きになった」「海外の人だけでなく他の県の人にもっと来てほしい」「金沢の魅力を守り、後世につないでいきたい」という思いをもつことができた。
来年度の活動計画
生活科や総合的な学習の時間などを通して、実践を重ねてきた。継続して地域の方をゲストティーチャーとして招き、地域とのつながりを感じながら意欲的に学習を進めている。来年度も地域人材を活用しながら体験的な活動を継続し、地域を大切にする気持ちを育てていきたい。