所在地 | 〒399-8205 長野県安曇野市豊科2723 |
---|---|
電話番号 | 0263-72-2154 |
ホームページ | |
加盟年 | - |
2024年度活動報告
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
本校では、子どもたちがESDの視点で、学校教育目標「根っこをのばす」の学びの根をのばせるように、各教科、道徳、生活、総合的な学習の時間、特別活動など多岐にわたる活動の中で、17のSDGsを意識した取り組みを進めてきました(昨年度までの活動報告参照)。特に、学校の南側を流れる「拾ヶ堰」(世界かんがい遺跡)を清掃する「クリーン大作戦」は本校の持続可能なユネスコスクールの中核活動として25年目を迎え、毎年、地域の身近な遺産を大切にする心を育てる機会となっています。今年度も各学級で特色のある活動を行いましたが、その中から6年3組が2年間の総合的な学習の時間で取り組んだ「日本列島の小川を守ろう」を報告いたします。
(1)学校ビオトープ「日本列島の小川」
近くの農業用水から水を引き、日本列島を模した形に作られた学校ビオトープです。消滅しつつある草花や水生生物等を校地に移し、子どもたちの学習に活用することを目的に企画・建設され、平成5年に池から小川に改修されました。多くの水生生物が見られ、子どもたちにとって大切な場となっています。
(2)活動の概要
子どもたちは、5年生の春に日本列島の小川を清掃して水を取り入れる活動を通して、この学校ビオトープに興味・関心をもつようになりました。豊科郷土博物館、長野県環境保全研究所自然環境部生物多様性班、長野県環境部自然保護課自然保護係、安曇野市役所教育委員会文化課、宇都宮大学森林科学科逢澤峰昭教授らの協力を得ながら、植物標本作り・植物看板作り・ツリーウォッチング・植栽活動・生物(水生生物・鳥類・昆虫)の観察と飼育・水質調査・清掃活動等、幅広い活動に取り組んできました。活動を通して、「日本列島の小川」には地域の植物・野鳥・水生生物がいて、多様な生態系が生息する空間であることを子どもたちは実感してきました。
(3)木の遊び場プロジェクト
6年生になり、「日本列島の小川をもっと楽しめる場所にしたい」と願い、「木の遊び場プロジェクト」を立ち上げました。木の専門家である柳沢林業の方にお越しいただき、山にいる生き物と人間のかかわりや、山をフィールドに働く林業という仕事について学びました。学習を通して、「木を採る、木を作る」仕事であること、林業は1つの世代だけでなく、何世代にも渡ってつながっていく営みであることを知ることができました。 また、木を切る道具も紹介していただき、「道具と心が通じ合うこと」の大切さや、「木は生き物である」ことをよく自覚して木と真剣に向き合うことの必要性についても学ぶことができました。子どもたちは、「全校のみんなが楽しめる場所にしたい」「仲良く安全に過ごせる場所にしたい」「低学年も高学年も楽しめるようにしたい」「日本列島の小川を活性化させたい」「今のままでは何か足りない」という願いをもとに、「木の遊び場プロジェクト」を柳沢林業さんにプレゼンすることができました。アスレチック、ツリーハウス、木のブランコ、すべり台等の案があがりましたが、最終的に「全校のみんなが安全に遊べるように」と、日本列島に大きな橋を架けることになり、12月に完成しました。
柳沢林業の方から山と人の関わりを学ぶ
12月に完成した日本列島の橋
(4)「日本列島の小川」の案内板のリニューアル
老朽化のため、表面の表示が剝がれた「日本列島の小川」の看板を修理したいと考えた子どもたち。「日本列島の小川の絵を新しく描きたい」「誰が見てもわかる看板にしたい」「日本列島の小川の特徴を書いたらどうだろう」「今の看板にはない植物や生き物がいるからそれをなるべく描きたい」と思いを広げていきました。また、修理の費用の一部を自分たちで確保するため、全校に空き缶集めを呼びかけました。校内放送やポスターで広報活動を行うことができました。(看板の完成は3月の予定)
昇降口に置かれたアルミ缶回収箱
老朽化が進んだ案内板
(5)活動の成果
・専門的な知識や技能をもつ外部講師に協力していただくことによって、環境保全やより良い環境創造のために働く人々の意図や願い、地域や社会と人々の繋がり、学校ビオトープの意義について深く理解することができました。
・子どもたちは「日本列島の小川」に愛着をもち、その保全に必要感をもって取り組めたので、対象に応じた情報を自分から収集し、事象を比較したり、関連付けたりして考える力が身に付きました。
・子どもたちが自ら課題を設定して、試行錯誤しながら体験的な活動を進めたことによって、地域社会や学校のために自分ができることを考えて、実際に行動することができるようになりました。
来年度の活動計画
本年度まで行ってきたことを土台に、来年度も学校ビオトープの整備や校内環境、地域、福祉を題材にした学習をさらに深めたいと考えています。また、ユネスコスクールの意識を継続してもち、児童会を中心にSDGsへの持続可能な取り組みを続けていきます。そのためにも職員間の研修や情報共有を継続し、ユネスコボード(各学年のSDGsの取り組みを随時書きこんで情報共有する掲示板)等を活用しながら、学び合える環境を一層整えていく予定です。