2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 人権, 食育

安中市立松井田北中学校の活動報告

本校は、全校生徒24名という小規模校であるが、自然豊かな山村地帯において、協力的な地域の支援を受けながらのびのびと活動している。しかし、地域の高齢化が進むとともに、地域活動の担い手も減少していることから、今後も活力ある地域となるためには担い手としての中学生の存在がカギとなる。そこで、「郷土を愛し、知徳体の調和のとれた豊かな人間性をもつ生徒の育成」を学校教育目標として、郷土との結びつきを大切にした学習を展開するとともに、共生社会の実現に向け人権意識の高揚を図っている。

具体的には、ESDとSDGsの実現に向け、①勤労生産学習 ②地域貢献活動 ③人権学習 ④食育を行っている。

①勤労生産学習(環境 2.飢餓をゼロに 15.陸の豊かさも守ろう)

この学習は本校に伝統的に伝わり、特色ある学習活動と言える。学校農園を利用して全校生徒が4つの縦割り班に分かれ、班ごとに話し合って決めた野菜の栽培を行っている。収穫までの作物の管理は、生徒が主体的に行い、全班共通の作物としてサツマイモの栽培も毎年並行して行っている。
地域の方には年度の始めに畑を耕していただいたり、栽培の仕方についてアドバイスしていただいたりしている。収穫したものは、部活動終了後に食べたり、家に持ち帰って家族とともに食べたりしている。また、収穫祭では縦割り班毎に焼き芋をして、栽培し食べることの楽しさを学んでいる。さらに、今年度は栽培した野菜を市内の子ども食堂に寄付する取組も始めた。
勤労生産活動は、生徒にとって、地域とのつながりを保ちながら、働く喜びを味わうことのできる活動である。自然とのふれあいを通して豊かな感性を育てるとともに、自然の恵みを感じ、それを守っていこうとする意識の高揚につながっている。

②地域貢献活動(環境 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任)

○クリンクリンの活動
全校生徒が登校時に通学路のゴミ拾いをしてきたり、更に登校後に学校周辺のゴミを拾ったりする活動である。生徒の提案で「クリンクリンの日」という愛称をつけ、全校生徒に呼びかけて実施しており、前日には全校生徒が集まる食堂での給食の時間や帰りの会で運営委員が参加を呼びかけている。月に1度、小学生と協力して活動している。身近な所でできることを継続することが環境を守る上でも大切であることを実感できる活動である。

○三会による除草作業
小学校のPTA、中学校のPTA、教育振興会が一緒に除草作業を行っている。
「PTAによる奉仕作業」を、本校では、「三会奉仕作業」と呼んでいる。普段から三つの団体が協力して学校を支援している。この奉仕作業は、例年5月と8月の年2回実施しているが、今年度は新型コロナウイルスの影響で、実施を見送った。

○リサイクル回収
夏休みに、保護者と生徒、学校が協力して行っている。中学校主体の行事だが、小学校の保護者や小学生も一緒に、地域ごとに家を回り、新聞や段ボール、空き缶、空き瓶等を回収している。

③人権学習(人権 5.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう)

5月と12月に人権学習週間を設定し、全校での人権集会で以下のような学習を行った。
○「北中人権宣言」の確認【生徒会本部役員】
○人権標語・人権作文の代表作品紹介
○校長講話
○人権教育主任による人権講話
○人権に関わるDVD視聴
今年度は、LGBTやこどもの人権、コロナ禍の人権などをテーマとして差別の生まれる原因を考え、正しい知識を身に付けることの必要性を学んだ。また、これらの学習の後に、全校で人権標語を作成し、さらに人権意識を高める機会とした。

④食育(食育 2.飢餓をゼロに)

ふだんの給食では、残り物を減らす取り組みを続けている。「少しでも野菜を食べよう」と、給食の時間に声かけをしている。この取り組みにより、北中の給食の残量は、ここ数年間でぐっと減ってきていて、完食する回数も増えている。

来年度の活動計画

令和4年度も、「勤労生産学習」「地域貢献活動」「人権学習」「食育」の4つを柱として、学習を展開していきたいと考えている。学習に当たっては、生徒が教師から与えられた課題に取り組むのではなく、自分たちで状況把握をし、課題解決のための手立てを考え、計画的に行動することができるように働きかけ、自分には何ができるかを考え実践する力を育成したい。さらに安中市の公立学校のユネスコスクールの第1号として、情報発信にも力を注いで行きたい。日々の教育活動の様々な場面で、SDGsの17の目標と関連付け、意識して取り組んでいく。また、ユネスコスクールの一員であることを意識して自覚と誇りをもって行動し、北中の特色ある活動を他校へ発信して、活動の輪を広げていきたい。