2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 平和, 人権, 食育

旧安中市立松井田北中学校の活動報告

当校は、全校生徒34名という小規模校であるが、自然豊かな山村地帯において、協力的な地域の支援を受けながらのびのびと活動している。しかし、地域の高齢化が進むとともに、地域活動の担い手も減少していることから、今後も活力ある地域となるためには担い手としての中学生の存在がカギとなる。そこで、「郷土を愛し、知徳体の調和のとれた豊かな人間性をもつ生徒の育成」を学校教育目標として、郷土との結びつきを大切にした学習を展開するとともに、共生社会の実現に向け人権意識の高揚を図っている。

具体的には、ESDの実現に向け、①勤労生産活動 ②地域貢献活動 ③人権学習 ④食育を行っている。

①勤労生産学習

この学習は本校に伝統的に伝わり、特色ある学習活動と言える。学校農園を利用して全校生徒が4つの縦割り班に分かれ、班ごとに話し合って決めた野菜の栽培を行っている。収穫までの作物の管理は、生徒が主体的に行い、全班共通の作物としてサツマイモの栽培も毎年並行して行っている。

地域の方には年度の始めに畑を耕していただいたり、栽培の仕方についてアドバイスしていただいたりしています。収穫したものは、家に持ち帰って家族とともに食べたり、収穫祭(全校で行う焼き芋)で、栽培し食べることの楽しさを学んだりしている。こうしたことから、より地域の方とのつながりを持つ活動とすることができ、自然とのふれあいを通して豊かな感性を育てるとともに、自然の恵みを感じそれを守っていこうとする意識の高揚をめざす活動であり、働く喜びを味わうことのできる活動になっている。

②地域貢献活動

 

○クリンクリンの活動

 

全校生徒が登校時に通学路のゴミ拾いをしてきたり、更に登校後に学校周辺のゴミを拾ったりする活動である。生徒の提案で「クリンクリンの日」という愛称をつけ全校生徒に呼びかけて、実施しており、前日には全校生徒が集まる食堂での給食の時間や帰りの会で運営委員が参加を呼びかけている。月に1度、小学生と協力して活動している。身近な所でできることを継続することが環境を守る上でも大切であることを実感できる活動である。

 

○ふるさとセンター清掃活動

 

地域の公共施設である「ふるさとセンター」の池や水路の清掃、庭の草むしりを毎年2学期の始めに全校生徒で行っている。3年生はデッキブラシ等を使い、池の清掃を、2年生は水路を、1年生は施設の清掃や草むしりの作業を行っている。暑い陽射しや滑りやすい池での作業は大変だが、生徒たちは熱心に取り組んでいる。奉仕の心と共に、自分たちの暮らす環境を自分たちの手で守っていこうという意識の定着をめざしている。

 

○三会による除草作業

 

小学校のPTA、中学校のPTA、教育振興会が一緒に除草作業を行っている。

 

「PTAによる奉仕作業」を、本校では、「三会による奉仕作業」と呼んでいる。

 

普段から三つの団体が協力して学校を支援している。この奉仕作業は、年2回、6月・8月の土曜日に実施され、児童・生徒も自主的に参加している。

 

○リサイクル回収

 

夏休みに、保護者のみなさんと生徒、学校が協力して行っている。中学校主体の行事だが、小学校の保護者や小学生も一緒に、地域ごとに家を回り、新聞や段ボールを回収している。

 

③人権学習

 

5月に前期人権集中学習週間を設定し、全校での人権集会で以下のような学習を行っている。

 

○人権集中学習週間の意味【生徒会長】

 

○人権標語作成の呼びかけ【生徒会本部役員】

 

○「北中人権宣言」の説明【生徒会本部役員】

 

○安中市の重要課題プライバシー、SNS関連のDVD視聴

 

○校長講話

 

○人権教育主任の話(日頃の人権に対する自分の考えを人権標語に表現させる)

 

12月に後期人権学習週間を設定し、前期同様、全校で学習した。

 

○人権標語・人権作文の代表作品紹介【人権教育主任】

 

○「北中人権宣言」の確認と見直しについて【生徒会本部役員】

○安中市いじめ防止フォーラムの報告【参加生徒】

 

○校長講話

 

○全校読み聞かせ『だいじょうぶ、だいじょうぶ』【校長】

 

また、1年生の福祉体験学習で地域にある介護施設を訪問した。実際にふれあうことを通して、施設における様々な工夫に気づき、今までは気づかなかった課題を知り、福祉について深く考えるきっかけになっている。

 

④食育

 

ふだんの給食では、残り物を減らす取組も続けている。学校保健委員会でも食育を取り上げ、「野菜をもっと食べよう」と、給食の時間と関連させている。

 

この取組の成果か、北中の残量は、ここ2年、過去よりもぐっと減っている。

また、自分の食に関心を持ってもらおうと、11月17日に「北中弁当の日」を実施した。家の人に手伝ってもらう生徒、すべて自分で作る生徒など様々だが、何日も前から話題になるほど、北中生にとっては関心の高い日になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

平成31年度も、「勤労生産学習」「地域貢献活動」「人権学習」「食育」の4つを柱として、学習を展開する予定である。学習に際し、教師から与えられた課題に取り組むのではなく、自分たちで状況把握をし、課題解決のための手立てを考え、計画的に行動することができるように、生徒に働きかけ、自主的・主体的な態度や実践力を育成したい。さらに安中市公立学校のユネスコスクールの第1号として、情報発信にも力を注いで行きたい。ユネスコスクールの一員であることを意識して自覚と誇りをもって行動し、北中の特色ある活動を他校へ発信し、活動の輪を広げていきたい。