2024年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

今年度も本校の特色である広大な草原エリア「瓜西アトリパーク」を活用した自然体験活動を通して生物多様性や生態系サービスについての学びを深めた。

【具体的な実践事例】

1年生

生活科の学習では、アサガオやチューリップの栽培、ヤギやウサギ、ヒヨドリとの触れ合いの活動を通して、命の大切さを体感するとともにそれらを通して得た気づきや思いを言語化する学習活動につなげた。また、近畿大学農学部の学生団体と協働し、葉の葉脈の学習を行うなど、外部団体との連携も実施した。

2年生

生活科の学習では、色々な種類の野菜を育て、その栽培の方法について学んだり、それぞれの野菜を比較しながら特長について交流したりするなど、多様な学習活動につなげることができた。また、近畿大学農学部の学生団体と連携し、色々な野菜が水に浮くか沈むかを実験的に調査し、なぜその野菜が浮くのか、沈むのかについて考えるなど、植物の不思議についても探究的に学ぶことができた。

3年生

総合的な学習の時間の学習では、蚕の飼育を通して、人のくらしがたくさんの生き物の命に支えられて成り立っていることに気づくことができた。また、理科の学習とも関連付けながら、蚕は桑の葉、アゲハチョウはミカンの葉、モンシロチョウはキャベツの葉というように、それぞれの食草についても学びを深めることができ、高学年で学ぶ生物多様性の理解にもつながる学習となった。3年生でも近畿大学農学部学生団体と連携し、トンボの生態に関する学習も行うことができた。

4年生

総合的な学習の時間では、地域を流れる大和川の水生生物調査や水質調査を行うなかで、昔と比べて大きく水質が改善していることを知ることができた。同時にマイクロプラスチックや外来種の問題にも出会うきっかけとなった。また、大和川が人工的に付け替えられた川であることを学ぶ中で、もともと川があった場所で栽培が盛んにおこなわれた河内木綿の栽培学習にもつなげ、綿くり体験や染色体験など、地域の産業についても体験的に学ぶことができた。

5年生

総合的な学習の時間では、校内の田んぼでお米作りを行い、昔ながらの里山のくらしと農業について体験的・探究的に学んだ。また、外部講師の出前授業を交えながら、田んぼを含めた水辺ビオトープを持続管理可能となるように改修することを通して、カエルやメダカ、ヤゴなど、水辺の生き物についての知識を得ると同時に、SDGsや生物多様性についての学びにつなげることができた。

6年生

総合的な学習の時間では、卒業に向けた取り組みとして、これまでお世話になった学校や、地域の皆さんに恩返しを行うプロジェクト型の学習を行った。そのなかで、地域のお年寄りの方や就学前の子どもたち、車椅子の方や草アレルギーを持つ方など、多様な立場の人々が安心して過ごせる「瓜西アトリパーク」を創造する実践を行った。具体的にはボードウォークを草原に設置したり、地域の方が集まれる東屋を改修したりした。その中で、日本の森林課題や間伐材のこと、地球温暖化のことについても学ぶことにつながり、これまで積極的に行ってきた環境教育と福祉教育がつながる新しい取り組みとなった。

ネイチャークラブ

3~6年生の希望する児童が在籍するネイチャークラブでは、ヤギのアトリの飼育活動や野菜の栽培活動を行っている。アトリの飼育で出たフンと、校庭の大量の落ち葉や刈り取った草でたい肥を作り、野菜の栽培につなげており、無駄のない循環型の飼育栽培活動を実践している。また、地域の方にもサポーターとしてお手伝いいただいたり、地域の方向けに収穫した野菜の販売会を行ったりするなど、ネイチャークラブが地域と学校の懸け橋の役割を担っている。

来年度の活動計画

来年度も瓜西アトリパークを活かした自然体験活動や環境教育、福祉教育を展開する計画である。

全校「国際生物多様性の日」に合わせた取り組み、「全校ラジオ体操」「ありがとう集会」
1年生「動物とのふれあい」
2年生「野菜の栽培学習」
3年生「蚕の飼育学習」「トンボの生態」
4年生「大和川の水生生物調査」「河内木綿の栽培学習」「大和川つけかえの歴史」
5年生「お米作り」「ビオトープの造成改修」
6年生「SDGsに向けた学習」「日本の森林課題の学習」「高齢者体験学習」「校内の課題解決プロジェクト学習」
瓜西ネイチャークラブ「ヤギの飼育活動」「野菜の栽培活動」「野菜の販売会」「季節ごとのネイチャーフェスティバル」
連携団体:近畿大学農学部学生団体feelink、木育フォーラム、アルブル木工、庭樹園、など