2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, 環境, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 貧困
本校は「世界と日本の未来を担う国際人の育成」を掲げ、先進的な国際教育を展開している。本校におけるESD活動では、社会文化的視点、経済的視点、環境的視点それぞれに対して「多文化共生と減災」「経済活動と貧困」「社会生活と循環」を学習テーマとして設定している。また本校は、スーパーグローバルハイスクール・アソシエイトやサステイナブルスクールの指定を受けており、これらをESDと連携させた取り組みを行っている。
1. サステイナブルスクールの活動(主に中学生)
【a】 気候変動に関わるホールスクール・アプローチの採択
本校では、ユネスコが行う”Implementing the Whole-School Approach under the Global ActionProgramme on Education for Sustainable Development – GETTING CLIMATE-READY”の採択校であり、今年度はユネスコ(パリ)が主催する日でカンファレンスに参加し、モンテネグロやインドネシアなど海外の学生とオンライン交流し、各自の気候変動に対する取り組みを共有した。
【b】 Sus-Teen! 活動の拡充
若者ならではのアイデアでSDGsのゴールに関する課題を解決する取り組みを2017年3月より開始し、現在は本校のESD学習テーマに沿って、「地域」「生物多様性」「環境」「減災」「貧困」と担当生徒を分けて活動している。
(2018年度の主な実績)
・ 名古屋市環境局大気環境対策課プロジェクト参加
・ UNIQLO服のチカラプロジェクト参加
・ 八事五寸人参プロジェクト発足
・ グローバル語り部事業(愛知県)採択
・ なごや環境デー2018出展
・ エコプロダクツ2018出展
・ ジロング市干潟調査参加
・ JCI少年少女国連大使派遣参加
2. 高校課程におけるESDを組み込んだ教育課程の実践
【学校設定科目】
本校のESD学習テーマについてアクティブラーニング形式で学習する学校設定科目「SIA特論Ⅰ・Ⅱ」(SIAは”Sustainability in Action!”の略)を開講し、高校1,2年次の選択科目として実施している。2018年度は社会科、理科、技術・家庭科、保健体育科、英語科の教員が授業にあたり、教科横断的な要素も含む授業展開を行っている。
【国際理解研修の実施】
本校のESD学習テーマに沿った海外研修プログラムを構築し、高校2年次に実施している。
<多文化共生と減災>:シドニーのマッコーリー大学において、オーストラリアの多文化共生について学習する。
<経済活動と貧困>:NGOとプログラムを構築し、マニラにおいて国際ボランティアを行う。
<社会生活と循環>:マレーシア・シンガポールの2カ国における水問題に焦点をあて、シンガポール大学や関連施設で学習する。
【課外活動における社会的活動の実施】
フェアトレードについて生徒自身で学習し、県内企業と連携した独自のフェアトレード商品の開発と、それを利用した普及活動を実施している。
来年度の活動計画
現在サステイナブルスクール活動において中心的な役割を担う生徒が高校課程に入学するため、中学・高校における活動の橋渡しと体系化が次年度の課題となる。また、近年の取り組みの結果として、生徒の活動が多様になっており、それを指導し支える担当教員の負担が増えている。本校ではESD活動を検討・実施・評価する組織として国際教育推進(校務分掌)を設定しており、そこに関わる教員を見直すとともに、全教員へのESD理解を促進していきたい。同時に、本校は国外に視野を向けること得意とする一方で、学校所在地域が抱えるローカルな課題に目を向け、地域にとって開かれた学校となるべくESDを取り入れた教育活動を展開していく予定である。