2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 食育
本校は、「山花の恵」を活動テーマとして、ESDの理念を循環型の栽培学習の中で実現することを目指しています。そのために、学校の恵まれた環境を生かした栽培学習の実践を通して、自然環境や食べ物に係わる課題を見つけ、それを解決しようとする力の育成を目標としています。
具体的には、環境、食育を柱に、①循環型の栽培学習に係わる活動、②栽培と自然環境に係わる教育、③作物に係わる学習を行いました。
① 循環型の栽培学習に係わる活動
これまでは苗や種、肥料、農薬などを購入し、栽培した作物をおいしくいただく、消費型の栽培学習を行ってきました。しかし、ESDの理念を栽培学習の中でより高い次元で実現するにあたって、種や苗を購入することなく、肥料や農薬の購入を最小限に抑える、循環型の栽培学習に取り組みました。今年度は小麦と大豆の栽培を行い、作物を収穫するとともに、次年度に蒔く種も確保することができました。
② 栽培と自然環境に関わる活動
これまでは作物の収穫に重点を置いていたため、肥料も農薬もその都度必要なものを購入し、使用してきました。この活動を循環型に変更したため、肥料についてはコンポストを活用したたい肥の作成、無農薬や低農薬の栽培のメリット、デメリットなど、多岐にわたる調べ活動を行い、次年度からの実践の足掛かりをつくりました。
③ 作物に係わる学習
栽培した大豆や小麦は自給率の低い作物です。これらの作物の栽培をとおして、収量を上げるためには広大な敷地が必要なこと、大型の機械か多くの人手が必要なことが分かりました。このことから日本で収益をあげるには不向きであることから、自給率が低いことも学ぶことができました。
また、栽培した大豆から豆腐と味噌、小麦を挽いてピザをつくり、日常的に食べている食品をつくる過程を学ぶことができました。
来年度の活動計画
栽培学習
◆目標
①植物の成長観察や栽培活動を通して、自然や環境の大切さ、生命への関心を高める。
②協力して栽培活動を行うことを通じて、連帯感や思いやりの心を育てる。
③自ら課題を設定し、見通しをもって追究し、結果をまとめ、発表する能力を養う。
④地域の特性や特長に気づき、積極的に関わろうとする姿勢を養う。
◆計画
学 年 |
学年テーマ
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目 標
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活 動
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小学校 低学年 | 野菜はすごい! | 野菜の栽培・収穫・味わう活動を通して,自然の力を実感し大切にする気持ちを養う。 | 野菜の蒔種から収穫まで協力して観察や世話を行うと共に、保護者や地域の方々みんなで味わい成長の様子や感想を話し合う。 |
小学校 中学年 | 収穫アップ! | 地域と連携し、栽培の仕方を工夫して収穫の質や量の向上をめざすと共に地域や自然の力に感謝する気持ちを養う。 | 地域老人会と交流し、収穫を増やしたり質を高めたりするための指導助言を得ると共に、野菜をプレゼントする等感謝の気持ちを表す。 |
小学校 高学年 | 地域や世界につなぐ | 自然との関わりに関する地域の歴史や知恵を学び、食料生産に関する努力や世界とのつながりに感心を持つ。 | 栽培活動を通して地域の特色や開拓の努力などを調べ、世界の他地域と比較したり関連をまとめたりする。 |
中学校 全学年 | 未来へつなぐ | 食育等身近な視点から食料問題・環境問題を探ると共に,未来に向けてできることを考え情報発信することができる。 | 栽培活動を通して生産や環境などに課題を持ち、世界的視野で未来に向けた改善策や自分たちにできることを考えて発表したりHP等を活用して発信したりする。 |