2019年度活動報告
本年度の活動内容
世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権
本校は,福山市がめざす「福山に愛着を持ち,変化の激しい社会をたくましく生きる子ども」の育成に向け,「主体的に学ぶ児童の育成」を学校教育目標として日々教育実践を積み重ねている。その中で,51年の歴史を誇る難聴教育を核にしながら「人を大切にする」教育に力を入れている。そのため,ESDを「思いやりのある社会づくりの担い手としての基礎的な自己形成の場」と捉え,身近な生活を題材にした「人とのコミュニケーション」に係るESDの実践を通して,「主体性」及び「課題発見・解決力」を育成することを目標とした。
具体的には,主に生活科・総合的な学習の時間・外国語活動を柱に,①人権・平和に係る活動,②国際理解に係る学習・活動,③世界遺産や地域遺産等に係る学習・活動を行った。発達段階に合わせて学区(1・2年生)・市(3年)・市や県(4年)・国内外(5・6年)とその学習対象を広げながら,児童の意欲向上と活動の自発的な計画・実施へとつながるよう作成した「カリキュラムマップ」をもとに,他教科・領域及び学校行事等とリンクさせながら計画的に進めている。
① 人権・平和に係る学習・活動
<3年総合的な学習の時間「すごいぞ!ぼくらの遊び名人!」>
身近な「遊び」をテーマに,今と昔の暮らしの違いや昔の人の工夫などを学び,交流を通してふるさとやそこに住む人々の素晴らしさに気づく学習を行った。地域のお年寄りをゲストティーチャーとして招き教えていただく「昔の遊び体験会」や,学んだことを次の世代にも引き継ごうと今度は自分たちが指導役となって遊びを伝える「幼稚園との交流会」の企画・実行から,思いやりの大切さを学ぶことができた。
【どんぐりを使った昔遊びを知る】【ゴム鉄砲の体験】【園児におはじきの技を伝授】
<4年総合的な学習の時間「平和について考えよう」>
太平洋戦争時に起きた福山空襲や広島の原爆による被害・その後の復興について,地域の方からの聞き取りや資料館等の見学をもとに学習を行った。そして自分たちが深めた思いを広く地域の方々に伝えようと,全校平和集会・西幼稚園児への折り鶴指導や中学校区学習交流会での発表など様々な活動を企画し,実施した。学習発表会でも平和への思いを呼びかけや歌にのせ,保護者・地域の方々に披露した。
【地域の方からの聞き取り】 【市人権平和資料館の見学】 【全校平和集会を実施】
② 国際理解に係る学習・活動
<5年総合的な学習の時間・外国語活動「福山の魅力再発見」>
福山の特産物や名所などの認知度を調査するため,平和公園を訪れ外国人観光客に英語を用いてインタビューを行った。笑顔でコミュニケーションをとることの大切さや,言葉が伝わらない場合にも,紹介するものの写真を見せたり,身振り手振りをしたりすることでわかりやすく伝えることができることなどを実感することができた。その後,まだ知られていない魅力についてより多くの人に広めていきたいとの思いをもち,ポスターセッションを通して自らが思う福山の魅力をまとめ,学級内で発表し合った。今後,より多くの人に伝わる発信方法を考え,発信していく。
【平和公園でインタビュー】
③ 世界遺産や地域遺産等
<6年総合的な学習の時間「学ぼう!伝えよう!先人の知恵」>
学区にある福山城や文化ゾーンについてフィールドワークや聞き取りなどで調べ自分たちの街の歴史や日本文化について深く学びまとめるとともに,その内容を市内他小学校との相互交流を通して,ふるさと福山・日本のよさを伝える活動を行った。
また,修学旅行では奈良・京都へ行き,数多くの世界遺産に触れてきた。グループに
分かれて見学してきた歴史的建造物について,学んできたことを5年生に向けて発
表し,学びを深めることができた。
【フィールドワーク】 【鞆小学校と交流】 【修学旅行の発表】
来年度の活動計画
今年度も様々な形で「人との交流」の場を設定し,主体的・体験的な課題発見・解決型の学習にすることで,「自分や相手のよさを理解すること」「自分や相手を思いやり大切にすること」「思いをうまく伝えあえるコミュニケーションスキル」についての児童の力を向上させてきた。
来年度も今年度同様,ESDを「思いやりのある社会づくりの担い手としての基礎的な自己形成の場」と捉え,身近な生活を題材にした「人とのコミュニケーション」に係るESDの実践を継続・充実させていきたい。
【11月29日 「ユネスコスクール全国大会持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会」