2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 食育

 本校は,地域の豊かな体験学習と多様な交流を通し,「未来を生きる人材育成」を目標として海洋教育に取り組んだ。さらに,目指す児童像を「豊かな心をもち,ふるさと唐桑を愛する児童」とし,主体的・協働的に学び,様々な問題を自分ごととしてとらえ,解決するために行動できる児童を育てるため,以下のことに取り組んだ。

(1) 地域の豊かな自然を実感する体験活動

① 1・2年生「海に親しもう」・・近くの浜で遊ぶ活動を通して,海のにおいや音,風景を五感で 感じ取り,流木や石を材料に図工作品を作った。サケの稚魚飼育や放流活動にも取り組み,サケが育つ環境に目を向けることによって,地下水や海の環境に興味をもつ きっかけとした。

② 3年生「ワカメの秘密を知ろう」・・地元で養殖されているワカメのよさについて,自分で課題をもち,地域の方や外部講師の協力を得て問題解決に取り組んだ。

③ 4年生「カキの秘密を探ろう」・・カキ養殖体験1年目としてカキの種ばさみの作業を行った。さらに,カキの解剖を通してカキの生態についての理解を深め,筏の模型作りを通 し漁師の苦労と工夫に気付いた。

④ 5年生「カキが育つ環境を考えよう」・・カキ養殖体験2年目としてカキの耳つり作業を行っ た。また,カキが育つ唐桑地域の海の豊かさの秘密やプランクトンについての理解を深めることで海と山の関係に気付き,海の環境保全活動の大切さを理解した。

⑤ 6年生「豊かな海を発信しよう」・・カキ養殖体験3年目として温湯処理作業やカキの水揚げ作業やカキむき作業を行った。3年間のカキ養殖体験をまとめることで,地域の産業に対する理解を深め,海の豊かさ,人々の関わりを知り唐桑の未来を考えた。

(2) 海洋教育を支える人々とのつながりを大切にする地域連携

① 唐桑幼稚園・唐桑中学校との連携・・・一つの中学校区としての系統性を踏まえた海洋教育にしていくために連携を深め,情報を共有した。また,海に親しむ活動を1年生と幼稚 園児が合同で行ったり,本校で行う「リアスサミットin唐桑」に中学生が参加したりすることで,園児・児童・生徒の交流も図った。

② 学校支援委員会(本校の海洋教育を支える若手漁業者・漁協の職員等)や唐桑公民館との連携・・・地域から学ぶよさを実感させるため,本校の海洋教育を支えていただいている地域の方とのつながりを大切にした活動(カキ養殖体験・カキ祭でのカキ販売・定置網起こし体験等)を多く取り入れた。特に,学校支援委員の方と繰り返し関わることで, 若手漁業者を身近に感じ,漁業に誇りを持って仕事をする生き様に触れたことは,児童によりよい生き方とは何かを考える大きなきっかけとなった。

(3) ふるさと唐桑に対する思いを共有する場「リアスサミットin唐桑」の開催 

  全校の取組として,海に関わる学びを発表するとともに,地域の方への感謝の気持ちを伝える場を設けた。「リアスサミットin唐桑」を開くために児童は主体的・協働的に学ぶ機会を多くもつことになり,学びの深化が図られ,児童に新たな思考を促すことになった。また,参観者が児童の発表を通して地域のよさを再認識したことは,「自分でも地域に影響与える行動ができる」という児童の自信につながり,児童に「地域の未来を担っていく」 という自覚を促すきっかけとすることができた。

来年度の活動計画

 地域の豊かな自然を実感する体験活動と多様な交流を通して,「豊かな心をもち,ふるさと唐桑を愛する児童」の育成に取り組む。 
生活科と総合的な学習の時間を中心に体験活動を取り入れながら,各学年の課題(1・2年「海に親しもう」3年「ワカメの秘密を知ろう」4年「カキの秘密を探ろう」5年「カキが育つ環境を考えよう」6年「豊かな海を発信しよう」)の解決を図る。
また,全校の取組として「リアスサミットin唐桑」を開催し,地域の自然や地域の人々から学ぶ活動を通して気付いたこと,分かったことを自分の言葉で伝える機会を設けることで,児童の主体性や協働性を育て,表現力や発信力の向上を目指す。
さらに,海に関わる学びの中から地域の課題を見出し,SDGsに関する理解を深めることで,海洋教育を通した地域社会への働き掛けや未来