2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費
本園は、活動テーマを「育てよう小さな命、探そう自然の不思議」とし、ESDの実践を通して幼児が身近な環境に主体的にかかわり自分の生活や遊びに取り入れたり、自然の面白さや不思議さに心を動かし豊かな心を育んだりすることを目標とした。
具体的には、園内、地域を柱に、①園内の身近な自然に親しみをもつ活動、②地域の自然環境を取り入れた活動、③生き物との出会いを喜ぶ活動 を行った。
① 園内の身近な自然に親しみをもつ活動
・園内の自然に関心がもてるように、「ハートの形」「パズルのある木」「つるつるしたもの」「においのするもの」「鳥の声」などを見つけるスタンプラリーを行い、五感を使って自然を感じられるようにした。日頃見過ごしてしまいがちなものにあらたに目を向け面白さを感じたり、発見したりし、自ら発見したことを友達と伝え合ったり、“他にはないかな?”と好奇心、探究心を持って自然にかかわる楽しさを味わうことができた。
② 地域の自然環境を取り入れた活動
・保護者サポーターと一緒に、年間を通して地域の自然が手つかずで残っている「熊野社」へ散歩に出かけた。四季の自然の移り変わりを諸感覚を通して感じたり、自分の住んでいる地域に豊かな自然環境があることに気付いたりすることができた。また、環境サポーターを招いて「熊野社」を一緒に散歩する機会をつくった。葉や木の実、小枝、小さな虫などについての話を聞くことで身近な自然の面白さや不思議さを感じることができた。
③ 生き物との出会いを喜ぶ活動
・譲り受けたうさぎを飼うことになった。3歳児の時にうさぎの死、4歳児の時にインコの死を経験した5歳児は、うさぎを飼うために自分たちにできることは何かを考え、飼育小屋を洗ったり、看板を作ったり、名前を考えたりして心待ちにしてうさぎを迎えた。小さな赤ちゃんうさぎをそっと眺めたり、小声で話したりし、自然と優しい気持ちで接する姿が見られた。また、えさや水を気にかけ、「おなかがすいてるみたい」と生き物と自分を重ね合わせて考える優しい心をもったり、生き物の命について、飼うために必要なことを考えたりすることができた。
来年度の活動計画
・平成31年度は「全国国公立幼稚園・こども園教育研究協議会・三重大会」でポスターセッションを行なう。ESDの取り組みについて広く知ってもらったり、ESD教育の大切さを感じてもらったりできるよう、実践、反省、評価をして、作成している指導計画の見直しと教育内容の改善を図っていきたい。
・今年度までに明らかになった意図的、計画的な教師の援助や環境構成などを保育に生かしていく。外部講師や地域の方、保護者の力を取り入れて、幼児が様々な人とのかかわりや活動の中で、ESDについて興味をもって学んでいくことができるように努めていきたい。